地方感染症指定病院の現状⑬

sponsor’s link

ひと月に一回ペースで地方都市の感染症指定医療機関で働いていて感じること・気づいたことをアップしています。

辛かった第五波、1か月弱続いて、まだまだ収束までにかかるだろうと思っていましたが、なぜか急激に患者数が減少しています。

第五波の終わり

8月いっぱいは発熱外来ももう溢れかえっていて、受診待ちの患者さんを待機させる場所の確保が困難になるくらいで、対応する医師も看護師も事務も倍増させていましたが、9月に入って、それも先週末あたりから、急に人数が減って、落ち着いてきました。

と同時に、一時は30-40%くらいあった陽性率も、今は10%前後。

学校が始まって子供の感染が増えるだろうなと予想していましたが、大丈夫なのか、受診控えの結果なのか、よく分かりませんが、小児科外来も発熱外来も比較的落ち着いています。

第五波の間は、夏休みの子どもたちも家庭内感染によりコロナが多発し、コロナによって高熱が出たり、ちょっとしんどそうな子もちらほらいましたが、今は季節の変わり目の風邪かな?くらいで、コロナ患者との直接の接触がなければコロナの検査の適応にもあまりなりません。

というか、熱の高さや本人の症状からは、コロナかどうかなんて全く分からないので、あえて掘り起こさずに、穏便にやり過ごしています。職員からもコロナは出ていません。家族が感染した、とか、濃厚接触者になった、という報告もかなり減りましたね。

学校などの感染対策が強化されたことが理由なのか、なにか他にも理由があるのか分かりませんが、一時期にくらべて、子供の活動範囲内でのクラスター発生は格段に少なくなりました。やはりところどころで休校や休園はあるのですが、休校/休園措置も数日のみで、当初予想していたような巨大なクラスター形成の原因にはなっていない印象です。

やはり、個人的には、子どもたちの感染対策というよりは大人が会食などを控えることにより、家庭内への伝播を防ぎ、それが間接的に子どもたちへの感染拡大を減らしていると感じています。

でも、ここ最近の患者数の減少は正直「?」と感じます。専門家はワクチンと国民の努力の賜物、と言っていますが、これまでどんだけ自粛しても減るまで相当時間かかってたのに、どういうこと!?という感じです。そもそも、ニュースなどで見る都心エリアはそこまで人も減っていないですよね。

コロナ病床の様子

9月から当院も一般病床を閉鎖して、コロナ病床を増床しました。都道府県から矢の催促があったからだと聞いています。増床した直後は連日コロナ入院を受け入れ、受け入れた人が中等症どころか重症に近くて、現場は一時パニックになっていました。。増床したコロナ病棟の稼働は良好でしたが、ぼちぼち患者さんも退院しだし、退院した枠に次入ってくるサイクルも少し落ち着きだしました。

入院してきた方は、条件が合えばカクテル療法、すでに日数が経ってしまっている場合にはステロイドやレムデシベル等の治療をして、ネーザルハイフローでしのいで、今のところは人工呼吸器につないだりする重症化は免れています。いったんこじれると、2-3週間は入院しているので、なかなか病床は空きませんし、空くとすぐ次の依頼が来ていましたが、それも少し落ち着き、大波が去りつつある感じです。。。次の波は12月とかささやかれていますが、それまでこのガラガラ病床どうする!?という感じです。

小児科のコロナ入院も受け入れる話で進んでいましたが、今のところは要請はありません。このまま、落ち着いてしまうなんてことは、やっぱりないのでしょうかね。また次の波に向けて、準備を進めておきたいと思います。