外来でよく聞かれる質問のひとつが「耳掃除について」。いち小児科医の立場から、外来で答えている内容を紹介します。
耳掃除をしないと病気になる?!
昔から、耳に水が入ると中耳炎になるとか、耳掃除を怠ると中耳炎になるとか、言われることがあるかもしれませんが、すべて「デマ」です。
耳の構造

中耳とは、鼓膜より中枢側のこと(図参照)ですが、耳の穴から鼓膜までを外耳といい、通常鼓膜が破れていない限りは、外からの異物が中耳以降に入りこむことはありません。
なので、風呂やプールの水が入ったくらいではすぐに流れ出てしまいますし、よっぽどの汚水が入らない限りはまず大丈夫です。汚水が入っても洗いだせばいいだけだし。
同じ理由で、耳垢も、外耳道から出る垢の塊ですが、これが溜まったからとて中耳に影響はありません。ただ、鼓膜に音波が到達するのを妨げることは予想されるので、聞こえは悪くなることはあります。
そして、外耳には、異物を自然に排出する機能が備わっているため、耳掃除をしなくても勝手に汚れが溜まれば出ていくようになっています。
というわけで、聞こえが悪いと感じない限りは、耳掃除はしてもしなくてもOKです。
それでも耳掃除がしたい!という場合
それでも、耳掃除がとても好きな子どもはいますし、お母さんとのよいスキンシップになっている場合もあると思います。その際には、もちろんどんどんやってもらって大丈夫です。鼻くそを取る、取らないというのと一緒で、鼻くそがたまっていると不快だし、とれれば気持ちいいですよね。
耳を触られるのが嫌い、という子どもさんの場合は、泣かせて押さえつけてまで親がしてあげる必要はありません。耳の聞こえのこともあるし、どうしてもやりたい、という場合は、耳鼻科で吸引してもらいましょう。
「耳掃除ごときで受診なんて・・・」と遠慮するお母さん方がよくいるのですが、全然気にすることはありません。実は耳掃除の保険点数も決められていて、保険診療で掃除できますが、これがなかなか高得点なので、耳鼻科のほうもwin-winになります。
耳と鼻はつながっている!
さらに、図から分かるように、鼻へと続く「耳管」は内耳に開口部があり、中耳ともつながっています。
なので、鼻が詰まって内圧があがると、この耳管に汚い鼻汁が逆流したり、鼻汁とともに細菌やウイルスが上がってくる通り道になるので、中耳炎になりやすくなります。この耳管は、乳幼児では特にまだ発達途中で細いので、小さい子は中耳炎になりやすいというわけです。
中耳炎を予防するためにはひたすら鼻の内圧を上げない=鼻汁を吸引することが大事。なので、いつも書いていますが、風邪をこじらせない一番の近道は鼻汁をこまめに吸ってあげることです。
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