PCR検査の方法と受診のタイミング

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第五波も少し峠を越しつつあると思いますが、小児への感染が増えてくると予想される今後、濃厚接触者にあたるかあたらないか、という判断は個人でしなければいけなくなりつつあります。ご自身が濃厚接触者にあたると思われる場合、あるいは微妙だが感冒症状が出ている場合、検査や受診のタイミングはどのようにすべきなのか、まとめました。

PCRの判定方法

まずはPCR検査の仕組みについて分かっておく必要があります。

コロナのPCR検査は鼻咽頭ぬぐい液や唾液中に存在するコロナウイルスの核酸(DNA)を検出する検査です。

DNAは4種類のタンパク質の羅列ですが、新型コロナにも独自の配列というものがあり、この配列を検出すれば、新型コロナウイルスが存在するという証明になります。なので、理論的にはそこにないものは検出できるわけがないので偽陽性というものはない、つまり陽性は必ず陽性、ということになっています。

ところが、PCR検査をしていても、必ず白黒つけられるものでは実はなくて、絶対陽性です、という反応から、微妙~という反応まで、様々なのが実際です。

PCR検査は、先に述べた特有の配列というものを感知し、それを増幅操作することで検出の感度まで遺伝子を増やします。増幅操作を1回すると2倍になり、2回すると4倍になり、、、と倍々ゲームで増えていくわけですが、だいたいが増幅操作20-30回以内に、検出感度に達して陽性になります。当然、検体の中のウイルス量が少ないと、増幅操作をもっともっとしないと検出感度に達さないので、40回以上してからはじめて陽性になることもあります。前述のように、そこにないものは検出できないはずなので、例え45回であっても、検出できたら陽性と判定できるのですが、20回程度で陽性になる人と比べたらウイルス量はかなり少ないと考えられます。

現在巷で使用されているPCRの機械は45回程度まで増幅操作を行い、そこで検出できなければ陰性、45回までに検出できれば陽性として結果を返しているところが多いと思われますが、その辺は実は決まりはありません。ご存じのように、感染後数か月程度は体に残存するウイルスの破片からもPCRが陽性になってしまうことはあるし、実際45回で陽性判定となった人が、本当に病気といえるのか、他人を感染させるほどのウイルスが存在しているのか、これはまだまだ議論していかなければいけない部分です。

PCR検査を受けるタイミングは?

上記のことを踏まえて考えると、PCR検査のタイミングも、濃厚接触と思われる時点からあまり早すぎても、精度が悪くなることが分かります。

大抵は濃厚接触者と分かった時点、あるいは濃厚でなくても一緒に時間を過ごした人がコロナと判定されたことを知らされた時点ですぐに病院に来られます。

今の国からの指示では、濃厚接触者であればすぐに検査するように、というお達しがあるので、病院もそのように対応しているのですが、ちょっと疑問があります。というのも、無症状の人にPCR検査をして、もし陰性であっても、数日後に発熱して陽性になる、ということがあるからです。

濃厚接触者になったということは、どのみち14日間自宅待機しなければいけないということで、もし可能であれば、潜伏期間と思われる2-3日はそのまま待機されてもいいのでは、と思います。様々な理由で、今自分が無症状の感染者であるという可能性を否定したいのはよく分かりますが、それでもたとえ陰性であってもそのときだけの話で、あとから陽性になって再度検査が必要になる人はたくさんいますので、あまり早まらないでもいいのかな、と思ったりします。会社に言われて検査しにきました!っていう人はしょうがないから検査しますが、それで陰性でも、どのみち待機だからね、と説明しています。

濃厚接触者になったらまず自宅隔離することになりますが、きっとその時点で接接触してから2-3日は経っている状態です。その後3-4日待機をして熱など感冒症状がでないかしっかり自身の健康観察を行うことが大切です。最近の流行りの株は、家族などの濃厚接触であれば、2-3日以内、会社とかの微妙な濃厚接触でも一週間内には症状が出てるので、一週間くらい大丈夫だったらまぁ大丈夫でしょ、と安心して、残りの一週間を過ごせると思います。

問題は、接触が分かった時点でのご自身の行動から、ご自身が無症状感染者で、周りにうつしていないかどうかの判断が必要になる、ということですが、よっぽどリスクのある人と接触していない限りは、自身が濃厚接触者であったということを伝えるだけでもいいのでは、と個人的には思います。同じようなケースで誰も発症せずにスルーされていることも大いにあるのでは、と考えるからです。このあたりはとても微妙で正解はありませんが、少なくとも、全例対応していくのはもはや困難なので、このような形で少しずつ2類相当の対応から5類相当へとなし崩し的に変わっていくのだろうなと予想されます。

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