ひと月に一回ペースで地方都市の感染症指定医療機関で働いていて感じること・気づいたことをアップしています。早いもので、今回で(恐らく)12回目。いつまで続けることになるのでしょうか。
前回の地方感染症指定医療機関の現状⑪の記事は、第四波が去って、ちょっとひと段落・・・という時期でした。
連休明けからコロナワクチンがはじまった混乱もありましたし、病院として暇な期間では決してありませんでしたが、それでも連日コロナが運び込まれてきていた4月5月に比べると、比較的楽な期間ではありました。
発熱外来の数の落ち着いて、1日10人以下になり、陽性者もほとんど0、という日々が1か月程度続きましたが、さてさて、ここにきてまた増えてきましたよ。
ここ一週間くらいは発熱外来も連日10人を超え、問診でも陽性者との接触があったり、という人が明らかに増えています。直近一週間の発熱外来の陽性率は約8%です。
コロナの入院者は減ってはいますが途切れることはありませんでした。1人去ったらまた1人、そして隔離期間が終わった人をリハビリで受け入れたりで、対応は続いています。
小児科外来の様子
一方、小児科外来はというと、パラインフルエンザ感染症やRSウイルス感染症、そして胃腸炎の流行により、大盛況な日々が続いていました。季節的と、上記感染症に伴うと思われる喘息症状、あと季節的な皮膚症状の悪化(アトピー性皮膚炎の増悪やとびひなど)、様々な感染症が混在していました。夏休みを前に、あと、発熱外来の増加とともに、小児の外来患者数はやや落ち着きつつあります。このへん、両者の波が必ず、片方が上がると片方が下がる、というような連動の仕方を見せているのが不思議です。恐らくコロナ流行期には病院に行きたくないという心理があるのだと思われますが、他にも要因があるのかどうなのか。。
PCR陰性はなんのため?
発熱外来をしていて思うのですが、PCR検査を希望される方がいて、それはいいのですが、「陰性だったら仕事に出られるから、検査してくれ!」って言われるのですが、ちょっと待って!って思います。
会社に「PCR陰性を確認してからなら、症状があっても仕事出てきていいよ」って言われている人も多いんです。
このブログではもう何度も言っていますが、PCRの感度はせいぜい7割程度で、ということは残りの3割はたとえ真の患者であっても陰性という結果になってしまうわけです。PCRを2回して陰性だったら陰性の確率は0.3×0.3で0.09になり、99%の確率でその結果は正しいと言えますが、1回だけなら信頼性は低くなること、そしてなにより、熱が出て咳などの症状が出てるのは、コロナであってもなくても感染症であり、周囲に感染させる状況であるのは間違いないので、ぜひとも職場や社会に出ないでいただきたいです。
毎回、「検査はしますが絶対ではないことと、結局は感染症だから周囲にうつす可能性あるよ!」と口を酸っぱくして言っていますが、どれほど響いているのやら、と思ってしまいます。
みなさんも、風邪症状がある場合はコロナの可能性があるなしに関わらず、外にはでないようにしてくださいね。