地方都市感染症指定医療機関の現状⑧

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だいたい1か月1回程度、筆者の勤務する感染症指定医療機関(関西の地方都市)の医療現場の現状をお伝えしています。

年始からの動向

発熱外来の様子

2021年の年始はこれからの先行きが非常に不安な幕開けでしたが、その後どうなったかと言うと、翌週にはちょっと落ち着きました。

年始は連日の発熱外来がパンク状態で、待つ場所もなく、2-3時間寒空の下で待っていただくようなこともありましたが、現在は落ち着いて、また1日数名程度のレベルにまでなりました。

やっぱり印象として、ニュースで患者数がグワーっと増えていくときには、発熱外来の数も爆発するし、減少傾向に転じたときには少なくなります。増えているときは「コロナかもしれない!」と焦って受診するし、ちょっとの熱だったら様子を見ておこう、という受診控えが起こる結果なのかな、と思いますが、実際に外来でも陽性率はガクンと落ちています。

当院での元旦の陽性率が50%を超えていましたが、今は1~2%程度です。

ちなみに元旦の日の検査はすべて保健所からの濃厚接触者認定の人なので、陽性率が跳ね上がるのは当たり前です。

小児科外来の様子

小児科外来はどうかというと、年始は本当にびっくりするくらい患者さんが少なかったです。冬休みで学校もないし、ステイホームで家から出ないので、感染症にかかりようがなかったということでしょうか。

学校が始まっても、変わらず感染対策は続いていますので、インフルエンザが一人もいません。今年は検査をしようという人もほとんどいませんが、コロナとインフル両方みられる検査が入っているので、自動的に両方検査に出すこともありますが、まだ陽性になった人いないです。このことを考えると、現状の感染対策でインフルエンザはほとんど排除できる。でもコロナはまだ終息していないとすると、コロナの感染力はなかなかのものです。そして、今までいかにずさんな感染対策をしていたのかということを痛感します。

小児科外来ではインフルエンザはいませんが、その代わりに、乳幼児の溶連菌やアデノといった感染症がちらり・・・ほらり・・・という程度。あと、花粉症がひどい子はそろそろ鼻がグズグズ言いだしたり、目がかゆいと言いだしたり。そして、昨今の寒暖の差のせいか、喘息がちょこっと出だして来ています。

コロナ病棟の様子

コロナ感染症病棟は相変わらずいっぱいですが、初期の頃と比較して明らかに重症寄りの人が増えました。というか、もうホテル療養レベルの軽症者は1人もおらず、アクテムラやレムデシベル、ステロイドを使わなければいけない人ばかりになっています。酸素は必ず入っていて、挿管(人工呼吸)しなきゃいけないかも、とドキドキする症例が増えています。基本的に中等症までしか取らない(取れない)という約束で感染症指定病院になっていますが、院内で急変した場合は、高次医療機関に送れるのかどうか、甚だ疑問です。高次医療機関の重症病棟がまだいっぱいなので、結局自院で診ることになるのではないか、と戦々恐々しています。

さらに、県内ではコロナによりICUが満床のところが多いので、他の疾患でICUで診てもらいたくて高次医療機関に転送したい!と思っても、受け入れ先がなく、診たことない病気を、専門科外の医師が、アドバイスに従って診なければいけないということも発生しています。

あと、身内に陽性者が出たり、職員自身でも陽性者が出たりで、突如勤務停止になる人もいて、現場は大混乱です。職員の子供が発熱したときも同様で、もれなく抗原検査やPCR検査をせざるを得ません。PCR検査をした場合は、少なくとも翌日まで出勤停止なので、これまた現場はめちゃめちゃになります。晴れて職場に復帰したときでも、とても心苦しいですよね。そもそも、子供が発熱したときに親が休めない社会ってなんだ!って思いますが、いちいち休んでいられないのも現状でもあります。いや、この考え自体を修正しなければいけないのですが。

ワクチンについて

ワクチンの話題も上がりますが、指定医療機関勤務であるのに、打たないという選択をしている人もそれなりにいてびっくりします。

私は以前に記事にしたように、打つしか選択肢はないと思っていますが、医療機関で働く人間でもそんな感じなのに、そりゃ世間一般の人は打ちたくないですよね、と改めて思いました。打ちたくない理由は「なんとなく怖いから」というのが多いです。勉強する時間も取れないのかもな、とも思います。

現場には疲れが溜まっています

看護師さんも疲れに疲れて「辞めたい。」という人が相当数います。

毎日毎日、エキストラワークな上に給料も削られ、おしゃべりやお出かけで気分転換もできず、終息の目途も付かない現状では滅入るのも頷けます。高齢の看護師さんは体調を崩してしまったり精神的にしんどくなってしまったり、若いと子供にうつしたりする心配から参ってしまう人もいるし、感染症病床を診る看護師さんも、次々に辞めていくし、辞めるとまた次の人を育てなければいけないし、、でかなり負担が増えています。

一体いつになったらこの長い長いトンネルを抜けられるのか、みんなでパーっっとお酒を飲みかわす日が果たしてくるのかどうか、その日を夢見て頑張っています。

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