舌下免疫療法の最新の知見

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現在日本において、スギ花粉とダニの2種類の舌下免疫療法が保険適応になっています。以前に子供のアレルゲン免疫療法についてという記事で、舌下免疫療法の実際の方法についてご紹介しましたが、この数年で、舌下免疫療法についての研究がたくさんなされ、新しい知見が次々発表されています。

舌下免疫療法によって他のアレルギー発症が抑えられる

舌下免疫療法は、ある特定のアレルゲンを少量ずつ体に取り入れることによって、免疫寛容を促し、アレルギーを克服する体質を得る、という治療です。例えば、ダニアレルギーの場合は、ダニエキスを一定量、毎日摂取するということで、ダニに対する体の異常なアレルギー反応を起こりにくくする、というものです。ダニの治療を行えば、ダニには耐性が付くのは分かりますが、副次的な効果として、他の花粉症の進展なども抑えることができることが分かってきています。また、治療は3~5年程度続けることが推奨されていますが、治療(内服)w中止しても、5~8年程度効果が続くことも分かっています。

また、日本で導入された当初は、基本的には1種類の舌下免疫療法しか行えませんでしたが、ダニとスギ両方のアレルギーを持っている場合は、両方の舌下免疫療法を行う施設も増えてきており、それで大きなトラブルも今のところはありません。

喘息との関連

学童期以降の気管支喘息は、ダニアレルギーと密接に関係していると言われており、特にアレルギー性鼻炎を持っている子供は、例え現在喘息はなくても、将来において喘息を発症するリスクが高いことが分かっています。

学童期のうちにダニの舌下免疫療法を行っておくと、発症予防のためのステロイド吸入薬の量が半分程度に抑えられること、喘息の発症頻度自体も半分程度に減少することもはっきりと分かってきました。

舌下免疫療法のお薬自体はダニエキスだけなので、聞こえは多少悪いですが天然の成分でもあります。ステロイド吸入は、主に肺に届けられるため副作用が最小限とはいえ、中等量以上になると将来的な身長の伸びに関わってくることもあるため、重症以上の子が吸入量を減らせるのはとても大切なことです。

また、当初は「重症気管支喘息」は「禁忌」となっていましたが、各国のガイドラインでは禁忌から外れ、むしろ「推奨される」という立場のお薬になってきました。

アレルギー性鼻炎との関連

もともと舌下療法は、当初アレルギー性鼻炎の病名で承認をとったお薬です。そして、アレルギー性鼻炎への効果も絶大です。例えば、今まで花粉の時期やハウスダストが一番ひどい秋の時期にお薬が手放せなかった子でも、数か月続けるとその次のシーズンは、ほとんど抗アレルギー薬が要らない、ということもよく経験します。抗アレルギー薬はあくまで対症療法であり、飲まなくなると必ず症状は再燃しますが、舌下免疫療法はやめてもしばらく効果が持続するのが最大の特徴です。

舌下免疫療法は専門医に相談を

舌下免疫療法は現在、特定の講習を受け資格を持った医師でないと処方できないことになっています。また、初回は病院で副作用のチェックを行いながら行う必要があり、普段のアレルギー症状がきつい人ほど副作用も出やすいお薬でもあります。ただ、初回に症状があっても、数日我慢すれば問題なく続けられる症例がほどんとで、それでも症状がある場合は、時間を短くしたり吐き出したりなど、いろいろな方法があります。適応がある患者さんは多く、また感作後10年以内での効果が高いとも言われていますので、興味がある方はお近くのアレルギー科で相談されてみてはいかがでしょうか。

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