【SARS-CoV-2;新型コロナ】地方都市の感染症指定病院の現状③

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関西の地方都市の感染症指定病院で勤務をしております。定期的に病院の現状を記録していっていますが、今回は第三弾です。

過去記事はこちら;
地方都市の感染症指定病院の現状①
地方都市の感染症指定病院の現状②

発熱外来が再設置

関西一円でも感染者数が急増してきた7月終わりあたりから、うちの病院でもやっぱり発熱者を一般外来で診るのはリスクがあるだろうということで、発熱外来が再設置されました。同時に、近隣地域で小規模ではありますがいくつかクラスターも発生して、保健所からの依頼も増え、その中に陽性者もちらほら出るようになりました。発熱外来が再開したことで外来は厳戒態勢に戻りましたが、それでも発熱外来からの患者さんではほとんどPCRが陽性になることはなく、市中感染としてもそれほど広がっていないように思われます。

発熱外来の様子はというと、日々10人を超える受診があり、その中で変動はありますがだいたい5割程度にPCR検査がされているという現状ですが、やはり外来からの陽性者は数えるほどしかいません。やはりそこまで、インフルエンザほど流行らないな、というのが実際の感覚です。例えば学校で陽性者(あくまで発症者ではありません)が出た場合でも、まわりの濃厚接触者にはほとんど陽性者が出ません。時折、寮生活をしているような強豪校での巨大クラスターのような事例が出ますが、稀ですよね。インフルならあっという間に学級閉鎖になるところです。

主訴は発熱とは限らない

また、発熱もなく通常受診された患者さんで、基礎疾患があり念のためにされたPCRで陽性に出てしまったり(発熱対応していなかったのであわや濃厚接触者がでるところでしたが、なんとかセーフでした)、さらに学校関連の感染者も出たりと、不穏極まりないですが、奇跡的にというか、職員の中で家族も含めての濃厚接触者や自宅待機者がほとんど出ていないという状況を維持しております。

ここまでくると本当に、誰が一番目になるか、誰がなってもおかしくない、という変な緊張感でいっぱいで、ロシアンルーレットの残りの玉がだんだん減ってきていることを実感します。

PCR検査に関しては、建築士の友達から寄贈いただいたボックスが毎日大活躍しています。これがあるから備品は節約できるし、なにより安心感が違います。

病棟の稼働状況

一時は稼働率7割程度まで落ち込んで経営的には危機的状況になっていた入院患者数ですが、今はなんとか8割5分くらいは維持していて、手術や検査、健診なども通常通り行っていますが、加えて発熱外来をしているために人員が足りずに常に看護師さんは疲弊しています。コロナ病棟は常に満杯で、1人退院したら即刻新しい人が入るという状況が続いています。全員軽症です。

必要物品の数はそこそこ足りている

物品は、消毒薬や防護具もある程度充足しています。大きな波に備えて、春からコツコツと貯めていますが、今は置き場所の確保に難渋しています。(それでも1-2か月分しかないとのこと)今は手袋の値段が高騰していて、いつもの2倍コストがかかるということですが、手袋の節約は難しいので、できるだけ安価なものを頑張って使うようにしています。一時期手に入りにくく手作りしてたフェイスガードですが、今は個人に1つ配り、適宜自分でアルコール消毒をするという方針で、病棟の看護師も全員通常時に装着するように徹底されています。医師の診察にも必須にしよう、という動きはあるものの、なかなかそこまで徹底できないのが現状です。また、某知事の発言によりポピドンヨード(イソジン)が不足することも懸念されましたが、数日でおさまりました。

医療崩壊の可能性は?

通常業務に加えて発熱外来などを回していかなければいけないので、現場の仕事量は増えていますが、まだなんとか交代で休みをとったりと余力はあるように思われます。うちの病院は重症コロナを受け入れていないので比較的まだ穏やかですが、これが中等症以上のコロナが入ってくるようになると、事態は一変するのではないかと思われます。

現時点で医療崩壊の様相はありませんが、通常診療+コロナ対策でそこそこ忙しい夏です。小児科受診もそれなりにあるという感じですが、例年に比べて夏風邪が少ないのは、感染対策の賜物だと思われます。

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