小児の「夏かぜ」についてのまとめ

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小児科に行ったら「夏かぜ」と言われたけど、夏かぜって一体なに?夏に引く風邪は全部夏かぜなの?「夏かぜ」について、まとめました。

小児科でいう夏かぜとは

小児科いういわゆる夏とは、だいたい3種類の病気のことを指します。ずばり、手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱、の3つです。それぞれについて、説明していきます。

手足口病

手足口病は、エンテロウイルス属が引き起こす急性のウイルス性感染症で、その名前の通り、手・足・口に病変が現れます。具体的には口の中の水疱(複数の場合は多い)、手や足の裏や末端に近い部分の水疱が特徴的な所見です。ただし、それだけではなくて、顔面(特に口の周りなど)や陰部周辺(おまたやお尻の穴付近)にもよく発疹が見られます。また近頃は、手足先の発疹よりも体幹などに多く発疹が診られるパターンや、発疹がきつくて爪がはがれてしまうパターンなど、様々なバリエーションの手足口病をみます。

原因となるウイルスは、エンテロウイルス属のエンテロウイルス71型やコクサッキーウイルスA6やA16型がよく知られています。これらのウイルスの型は、ウイルス分離という特殊な検査をしないと分からないので、全国の定点観測病院から提出される検体の結果から、その発生動向を予測していくしかありません。迅速検査はなく、主に症状からの診断となります。

多くは発熱は興ね宇t1-2日先行(しない場合もあります)した後、特定部位の水疱が出現しそのまま自然治癒する良性の疾患ですが、稀に脳炎や脳症を起こしたりすることもあります。特効薬はなく入院などの治療もほとんど必要になることはありませんが、咽頭痛が強く口から食べものや飲みものが摂取できない場合には、水分や塩分糖分補充の目的で点滴による治療が考慮されます。

手足口病とよく似ているのが水痘(水ぼうそう)です。水痘も手足口病と同じような水疱が全身に現れる病気で、発熱はあったりなかったりします。見慣れていれば診断に迷うことが少ないですが、最近では水痘ウイルスの迅速検査ができるようになり、迷う場合には水疱を少し破って中に水痘ウイルスがいるかどうかの検査をすることによって除外できます。

手足口病の発疹は、水疱を伴うためにピリピリするような感覚が出ることがありますが、かゆみなどはなく、外用薬も基本的には不要です。ただし、季節柄そこからとびひになったりもしやすいので、注意が必要です。また、数年前に流行した型では、発疹後に爪まではがれてしまう事例が散見されました。いずれの場合も、発疹はほぼ跡を残さずに治癒します。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは39-40℃程度の高い熱とともに咽頭の発赤および水疱を伴うアフタ様の発疹ができる疾患です。皮膚の症状はありません。発熱も咽頭症状も、3-4日で落ち着きます。原因ウイルスはエンテロウイルス属のコクサッキ―ウイルスA群が主な原因です。こちらも、一般的にはウイルスの同定検査が不可能なので、定点病院からの報告で感染動向を見る必要があります。

多くの場合、咽頭の大きなアフタのせいで、食物を飲みこむ際に苦痛があり、食べたいけど食べたら泣く、手を口につっこむ、よだれが極端に増えるなどの症状で気づかれることもあります。

こちらも治療薬はなく、咽頭痛に対して坐薬などの鎮痛剤で様子を見る場合が多いです。

プール熱(咽頭結膜熱)

こちらはアデノウイルスが原因の、発熱とともに咽頭発赤、そして結膜炎を合併するタイプの感染症です。一般的には、発熱とともに中等度以上の咽頭発赤、そして結膜充血や眼脂があることからこの病気を疑われ、眼脂や咽頭のぬぐい液よりアデノウイルスの抗原が陽性になれば本症と診断できます。プール熱と言われるように、プールでも感染するほど感染力が強いですが、水を介してというよりはおもに接触感染(もしくは飛沫感染)で伝播します。症状には個人差が大きいですが、時により4-5日以上も発熱が続いたり、結膜充血などから川崎病などとの鑑別が必要になったりする場合もあります。治療薬はなく、対症療法のみですが、学校法で出席停止扱いとなる法定伝染病であり、発熱や咽頭発赤、そして結膜充血などの主要症状がなくなってから2日間経過するまでは登校禁止です。

3つの夏かぜに共通すること

これらの感染症に共通することは、「比較的急激に高熱が出る」こと、「咽頭痛、咽頭発赤が強い」こと、「対症療法しかない」こと、そして、「比較的感染力が強いこと」です。

「比較的急激に高熱が出る」ということに関しては、鼻水などの前兆が少なく、まず39℃以上の発熱で気づかれるため、急に学校や保育園から呼び出しがかかることが多いです。そして、医療機関を受診すると、「咽頭発赤が強い」ことや特徴的な口内疹や発疹に気づかれて診断が付きます。治療法はなく、痛みを和らげることや、一般的な高熱の対処のみでほとんどが自然治癒します。感染経路は、だいたいが集団生活の場、つまり保育園や幼稚園であり、年少時により多い傾向があります。集団生活の場でおもちゃや生活用具を介して感染したり、直接飛沫を浴びる機会が多いからだと考えられます。

罹ってしまった場合には、治癒を待つのみですが、食事などは工夫することで苦痛をやわらげてあげることができるかもしれません。→手足口病罹患時のおすすめレシピ

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