【新型コロナ】学校でクラスターが発生しにくいというエビデンスについて

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緊急事態宣言が解除され、徐々に学校生活が戻りつつあります。そもそも、3月からの休校は、感染拡大防止にどれくらいの影響を及ぼしたのでしょうか?子供では感染者が少ないと言われる中、学校でのクラスターは本当に発生するのでしょうか?現時点で分かっているエビデンスをまとめました。

コロナウイルスはそもそも小児に感染しにくい

まだ、はっきりとした理由は分かっていませんが、各国での新型コロナウイルス感染者を年齢別に見てみても、15歳以下の小児の症例はとても少なく、1-2%未満というデータが出ています。日本はそもそも患者数も検査数も少ないため、あてになりませんが、アメリカや中国などでも小児の患者は少なく、さらに重症化もしにくいことは確かなようです。これについては、ウイルスが細胞に感染する際の足掛かりとなる受容体が子供に少ないといった説や、子供は他のコロナウイルスにさらされており免疫を持っているなど、様々な説が流れていますが、どれもはっきりしたものではありません。

現時点で日本で確認されている小児のコロナウイルス感染者も、ほとんどが家族内からの感染者であり、子供から子供に本当に感染が起こるのか、起こりやすいのか、ということはまだよく分かっていません。

日本での学校クラスター?

コロナウイルスの蔓延がはじまった2月下旬、政府は休業要請よりもいち早く学校の休校を決めました。そのおかげで、確かに当時流行していたインフルエンザや溶連菌などの感染症は激減しました。しかし、これでコロナウイルスの感染防止になったのでしょうか?

4月に富山県で起こった事例では、小学生の児童4人と教諭1人のクラスターが発生した可能性が高いと報じられ、学校関連の初めてのクラスターか、と思われましたが、その後の調査で、いずれも学校外で感染した可能性が高く、学校クラスターに当たらない、と考えが改められました。また、休校措置が取られてからも、保育園や学童はしばらくフル稼働でしたが、明らかなクラスターの発生は報告されていまん。現場の感染対策の効果ももちろんありますが、学校が感染拡大の場になるというエビデンスはありません。

世界での事例

世界各国の事例はどうでしょうか。

例えば、オーストラリアでは18人の学校関係者(9人が教職員、9人が生徒)の感染が確認され、その濃厚接触者の児童・学生は863人に上りましたが、そのうち感染が確認されたのは2人のみでした。

また、欧州では、9歳の子供が、発熱などの症状を有したまま、3つの学校やスキー合宿に数日間参加し、112人に接触しましたが、接触者の中で陽性者となったのは1人もいませんでした。

日本においても、香川の保育園の事例では保育士など職員11人が陽性となりましたが、その接触者であった子どもたちは147人のうち陽性が2人のみでした。

これらのことが示唆するのは、子供が罹患しにくいということだけではなく、子供-子供間の感染力は決して高くない、という事実です。

感染しにくい=重症化しない ではない

ただし、一律に「子供」といっても、年齢によってばらつきがあります。大人に近づく思春期になってくると、大人同様の体の反応がある可能性は高まります。また、当然ながら基礎疾患のある人も、重症化の可能性は高くなります。そして注意しなければいけないのは、1歳未満の乳児は子供の中でも重症化率が高く、集中治療を必要とする頻度が高いことも指摘されています。ただし、中国からの報告では、小児患者1065人の中で、ICU管理が必要になったのは1人だけ、とのことで、やはり子供は全体的に重症化のリスクが少ないことは間違いないでしょう。

最近になって、川崎病様症状を呈する症例の報告が海外でもされるようになり、死亡例も出ているので、今後日本でも症例が増えてくると同様の症状が出たり、重症化する患者さんは一定の割合で増える可能性があるので、十分注意が必要です。

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