学校再開時に注意したいこと

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緊急事態宣言が発令されていから1か月余。感染者の少ない都道府県は5月14日をもって宣言が解除され、少しずつ登校日が設定されたり、分散登校を開始している自治体が数多くあります。「新しい生活様式」の中での登校の心得や注意点をまとめました。

学校で取るべきとされている対策

コロナウイルス感染のリスクが高いと言われる3密の状況を、学校で作りださないために、以下のような対策が各学校で行われています。

・体調不良時の登校は絶対禁止。

当たり前の話ですが、皆勤賞を狙ったり、大事な行事があったり、というときには、朝に多少体調が悪くても、「まぁしんどくなったら帰っておいで!」という感じで登校していた生徒は多いのではないかと思います。インフルエンザの時期でも、無症候性あるいは熱が上がらないインフルエンザ保菌者もいて、咳などの症状だけであれば登校してしまい、クラスなどでの蔓延につながります。アフターコロナの時代は、少しでも体調に異変があれば、少なくとも症状がなくなるまで、できれば症状がなくなって1-2日経つまでは自宅で様子を見ることを徹底するべきだし、社会人になってもそれが常識になればいいなと思います。間違っても「俺が若い頃は40℃あっても会社に行ってたぜ」なんて武勇伝をひけらかすようなことはしないでほしいですね。

・時間や日にちを分散して登校する

大きな学校では登校時にかなりの人数が通学路を歩くことになり、そこでじゃれあったりおしゃべりしたりしながら、通学します。通勤同様、通学もまた時差をつくったり、登校日をずらすなどの対策が指導されています。ただし、授業時間の問題もあり、いつまでもすることはできません。また、下駄箱に集中するのを避けるために下駄箱の使用を禁止し教室に外靴を持っていくようにしたり、ランドセル置き場を使わないように、自分の机にリュックを掛けたりなど、登校後の行動制限も行われます。

・換気や消毒を頻繁にする

教室では定期的に換気を行うことが推奨されています。ただし、夏に近づくと換気を行うことが熱中症につながる危険もあり、注意が必要です。

また、机や共用部の消毒も頻繁に行うように指導が入っています。消毒液は医療機関でもなかなか手に入らない現状なので、教育現場も調達に苦労しているようです。

・おしゃべりをしない

休み時間であっても大声を出したり、向かい合っておしゃべりをなるべくしない、立ち歩かないなど、以前の生活と違って制限がでてくるでしょう。また、給食も向かい合って食べることはせず、全員前を向いて食べます。食事中のおしゃべりも基本的には禁止です。給食が始まれば配膳は誰がするのかなどの問題もあります。

・手洗いの徹底

外から帰ってきたとき、教室を移動したとき、何かものを触ったときなど、折に触れて手指消毒をすること、そして口や目の周りを触りやすい子は特に、気を付けることが重要です。

学校から帰ってきたときにするべきこと

なにはともあれ、まず手洗い

とにかく家に入ってからすぐにすることは手洗いです。帰ってきたときに手すりやドアノブ、その他家の中のものをなるべく触らないようにすることも大切です。屋外から帰ってきて、なるべく家の中にウイルスを持ち込むリスクを減らすと言う意味では、服を着替えたり、カバンは基本的にはリビングに持ち込まない、あるいは持ち込む場合は表面をアルコールなどで拭く、というルール作りも徹底するという意味では有効です。また、どうしても気になる方は、帰ってからすぐにシャワーに直行するのもよいでしょう。

消毒はカバンだけでいいの?という懸念もあります。もちろん、汚染の可能性があるのはカバンだけでなく、教科書などの学用品もですね。基本的には電車やバスなどで不特定多数の人に触れていないようであれば、子供の手洗いが徹底されていることを前提として、あまり心配ないと思います。子供の手洗いが信頼できないようであれば、帰ってきたときにかばんとともに教科書なども全部表面だけでも拭くかどうか、というところになりますが、個人的にはここまでする必要はないかと思います。あくまで、「不特定多数の人が触った可能性のあるもの」だけを消毒するとよいでしょう。

家の中で汚染区域を作っておく

外から帰ってきたときに、上着だったりカバンを置いておく、また宅急便や郵便物、買い物袋などを一旦置いておく「汚染区域」を作り、そこを訪れたときはしっかり手洗いや手指消毒をするという衛生観念も大事です。みんなが落ち着いて過ごすリビングはなるべく「清潔」な状態を保つように分けておかないと、家じゅうを消毒して回らなければいけなくなります。

筆者の場合

医療者としては、ウイルスを持ち込まないことだけを考えると上記の対応が必須ですが、ここまで徹底できる人はごく少数かと思います。家に高齢者がいる、免疫低下している人がいる場合にはしっかり徹底すべきだと思いますが、そうでない場合には、費用(手間)対効果も考えて、とりあえずは手洗いの徹底だけ、と筆者は考えています。でないと、家でもなかなか落ち着けませんよね(汗)。汚染区域は玄関に設定し、不特定多数の人に触れたものはリビングにあげないような対策は以前からとるようにしています。

要は、もしも手についていたとしても、それが体内に入らなければいいわけですから、食事の前後にもしっかり手洗い、そしてくつろぎ時には口周りだけは触らないように、子どもたちには注意しています。我が家はリビング兼ダイニングで勉強していますが、教科書やプリントなどをダイニングテーブルに置いているので食事の前にはさっと机を消毒します。

また、自分自身に関しては発熱外来を担当した日には、帰ってきても子供に飛びつかれるのをさっと避けて、シャワーに直行するようにしています。もちろん、職場に入る前も、職場を出るときも、手指消毒はしっかりしています。家から持ち込まない、そして持ち帰らないような意識が重要です。

しかしぶっちゃけ、それでもいつかは罹ると思っています。このウイルスから完全に逃げ続けるのは不可能です。

そもそも、学校でクラスターは発生するのか

上記のような学校生活を送る子供たちのことを考えると、さすがに可愛そうになります。私語を禁じられ、友達とじゃれ合うこともできず、ただ遅れた学習指導要綱をひたすら詰め込まれる毎日。これでは学校に行きたがらなくなる子供も増えてしまうことでしょう。先生もつらい立場です。

4月には日本でも登校日に感染拡大したとみられる学校クラスターが発生した、との報道がありましたが、それ以降も以前も、学童も保育園も開いているのに、そこでのクラスターが発生しないのは不自然です。もちろん現場の先生たちが、血のにじむような努力をしてくださっているのは分かるのですが、医療現場でさえ院内感染してしまうようなものを、静止の利かない子供たちを相手に、いくら消毒や手洗いを徹底したとしても感染を0にできるとは思えないのです。

そもそも、子供の感染者はコロナウイルス患者全体の1-5%程度と言われています。しかし、子供は理由ははっきりとは分かっていませんが、無症状あるいは極軽症の患者の割合が非常に多く、大人のコロナ患者が発生し濃厚接触したと思われる場合にたまたまPCRで陽性になる人ばかりです。実は症状の有無に関係なく集団全体にPCR検査を行えば、多数の感染者(あるいは保菌者)がいるのかもしれないし、そもそもかからないのかもしれず、本当のところはまだ何も分かっていません。

しかし、発熱や咳などの症状が著しく、周りに飛沫を飛び散らせるような症例は少なくともあまりないはずで、そうした場合は、周りに感染拡大を起こすリスクも少ないのでは、と考えられます。学校でクラスターが発生するのかどうなのかは、やはり学校を再開してみないと分かりません。

おそらく、ですが、子供の場合は子供単独でクラスターが顕在化することはほとんどなく、大人関連で検査をしてみたら周りに陽性者がたくさんいた、という形で明らかになってくるはずです。そのため、学校が再開しても、またすぐに休校になる可能性は高いと思われます。休校の観察期間は14日ですので、1人患者が確認されれば、その学校、あるいは学級は2週間お休みとなるでしょう。

冬季が正念場

夏場はある程度感染状況も落ち着くでしょうが、本番は冬です。RSやインフルエンザに加えて新型コロナが大流行するはずです。ワクチンができたとしても、100%有効なものは作れません。せいぜい、インフルエンザワクチンと同程度でしょう。3月に学習指導要領を終了するのはおそらく無理だと思います。まだまだ、長い闘いが続きそうです。

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