コロナウイルス流行による社会的影響

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コロナウイルス感染が確認される患者さんが世界中でも増加しています。日本でも、クルーズ船のみならず、少しずつ市中感染も広がってきているように思われます。IOC(国際オリンピック協議委員会)も、東京オリンピックの開催にすこし懸念を示している通り、これから様々な社会活動に影響を及ぼす可能性が高いと思われます。

コロナウイルスは本当に飛沫感染だけ?

現時点では、コロナウイルスの感染経路は主に飛沫感染のみと言われています。飛沫感染というと、ウイルスに感染している人の唾液などが眼の粘膜や口から体内に侵入してしまうことで感染が成立するということです。通常は飛沫はそんなに広範囲に飛び散らないので、原則2m以内に近づかなければ感染の心配はない、と言えます。

一方、飛沫感染のみならず、飛沫核感染、つまりエアロゾル感染があるのではないか、ということを指摘する専門家もいるようです。しかし、エアロゾルの場合は、飛沫と違って数時間も空気中に漂うことができ、実質空気感染とほぼ同義といってもいいくらい強い感染力があると言えます。もしそうであれば、クルーズ船の乗客はもっと患者数が増えてもいいように思われますし、他の事例をみても、新幹線やレストランなど短時間同じ空間を共有していたからといって感染が広がるものでもないようです。もし飛沫核感染があれば、新幹線内などはかならず感染者が出るはずです。(症状が軽微で検出されない、という可能性は残りますが)

そして、忘れてはならないのが、接触感染。これは、保菌者の唾液などがドアノブやスイッチなど、他の人がよく触れる場所についていた場合、そこを介して感染が成立します。通常ウイルスは生体を離れてそれほど長い期間は生きられませんが、アデノウイルスなどのように、主に接触感染を起こすウイルスはたくさん存在します。クルーズ船の事例でも分かるように、いくら患者を隔離していても、トイレなどの共用スペースにウイルスがくっついていれば、それで感染が起こります。もっと言えば、感染した乗務員がウイルスをくっつけて食事などを配給していた可能性もあります。拭き上げは適宜行っていたはずですが、理論上人が触るすべてのものを常に清潔にしておくことは難しいので、そこで感染が起こってしまったのではないかと考えます。屋形船やスポーツジムのケースも同様ではないかと考えられます。

これらことを考えると、コロナウイルスは「飛沫感染」あるいは「接触感染」で感染を起こすと考えていいでしょう。

これからの行事はどのように「自粛」すべき?

日本の総理大臣が、今後2週間の大規模なイベントを自粛するように求めたというニュースが流れています。あくまで私見を述べますが、すべての行事を自粛する必要はないのでは、と思います。

お別れ会や卒業式

たとえば、この時期よく教育機関で開催される「お別れ会」。教室やホールに集まって、歌を歌ったり、お祝いやお別れの言葉を言ったり、という行事ですが、それほど不特定多数の人が、しぶきをちらして体内に取り込むほど濃密に接触するわけではありません。歌は多少注意が必要ですが、その後手洗いを十分にすることでリスクは減らせるかと思います。長時間狭い部屋にこもる形になるとまずいので、定期的な換気は必要だと思います。また、症状がある人はあらかじめ個人で自粛する方向で考えたほうがいいでしょう。「卒業式」や「入学式」も、いつも教室で同じように接しているクラスメイトと主に接触するため、その日だけ中止にする必要はないように思います。保護者も多数来られると思いますが、マスクなどで飛沫を飛び散らせないような配慮が必要です。

インフルエンザの流行期でもあるため、風邪症状のある人があまりに多くなれば、延期あるいは中止をしたほうがよいでしょう。

卒業式後に行われる謝恩会・立食パーティーのようなイベントは、自粛されるべきだと思われます。閉鎖空間に多数の人が入り、飛沫が防御しきれないうえに食事を摂取するとなると、感染のリスクは非常に高まります。

また、春休みにも多く行われる「演奏会」。特にブラスバンドや管楽器による演奏会は、飛沫感染を助長させそうですが、必ずしもそうとも限りません。飛沫の範囲は限られていますし、自分の楽器は決まっているので、不特定多数の人、あるいは症状のある人が、物を共有しなければ問題ないのではないかと思います。

歓送迎会は?

先ほども謝恩会については書きましたが、歓送迎会も同様です。多数の人間が空間を共有しつつ、食物を口に運ぶというイベントはなるべく避けたほうがいいでしょう。どうしても、というなら、お弁当形式にして、屋外で行う方向で考えてみてはいかがでしょうか。お花見のような感じならまだリスクは減らせますね。

旅行は?

冬の終わりに温泉旅行にでも、と計画している人も多いかもしれません。温泉は、特に更衣室において接触感染のリスクが大きくなります。行くなら家族専用風呂や貸し切り風呂を利用するのがいいと思われます。(貸し切り風呂もアルコール消毒が全体に行われている可能性は低いので、気になるならご自身で拭き上げを行ってください)

ディズニーランドなどのテーマパークは、屋外のパレード鑑賞などだけであればそれほど心配ないかもしれませんが、乗り物型アトラクションや屋内施設は接触感染が特に起こりやすい(手すりなどはいちいち消毒していない)ため、必要に応じてこまめな手指消毒が必須です。また、シアター系アトラクションも、狭い空間を共有するのであれば、飛沫感染・接触感染のリスクが高まります。

長期休みで海外旅行を計画されている方も多いと思います。日本で感染が広がっている場合、むしろ流行していない地域に移動してしまう、というのはひとつの方法かもしれません。ただし、空港は不特定多数の人が利用し、飛行機内も長時間密室となるため、感染リスクは高まります。また、流行地域である日本からの渡航は、下手したら検疫にひっかかってしまい帰国できなくなるというリスクもはらんでいますので、十分に検討したほうがいいと思われます。

学会は?

医療関係でもこの時期は学会や研究会がたくさん開催される時期でもあります。こうした集まりは、不特定多数の人が、密閉空間を共有し、飛沫感染だけでなく椅子や机からの接触感染のリスクも高まります。また、多くの場合はランチョンセミナーのような形で昼食も会場で摂るため、感染のリスクを考えると延期すべきです。

通院は?

春休みに定期通院の予定が入っている人もいるかと思います。特別、その時期でないと相談できないことでなければ、延期を相談してみるのもよいでしょう。というのも、今現在一番感染リスクが高いのは、上記のどのイベントでもなく、おをらく病院でしょう。待合室は、咳がある子からの飛沫ももちろんありますし、ベンチも共有ですし、小児科では絵本やおもちゃからの接触感染も残念ながら完全には防止できません。もし「状態は安定しているがお薬が必要」、という場合でも、担当医に相談して、しばらくの間追加処方で乗り切る、ということもできるかもしれません。なるべくリスクのあるところに行きたくないという保護者の心理は当然理解されるものであるため、一旦相談してみる方法も考えてみてください。

また、高齢者に関しては特にコロナウイルス肺炎が致命的になることも考えなければなりませんので、なるべく不要不急の通院はやめましょう。

実際に、今現在厚労省から発表されているように、
・風邪症状を伴う発熱が4日以上続く場合(ハイリスクでは2日)
・強いだるさや息苦しさがある場合

は、必ず保健所に連絡し、指示を仰ぎましょう。

オリンピックは?

IOCは、5月末までに開催の是非を決定する、としています。現状ではなんとも言えない状況ですが、このまま患者数が爆発的に増加するような事態になると、本当に中止にせざるをえなくなるかもしれません。(現在の中国のような状態では到底開催できないですもんね^^;;)まだピークシフト(患者の爆発的な増加を抑えること)は可能な段階だと思いますので、国民一丸となって、かんばりましょう。

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