ロタウイルスワクチン定期接種化とワクチン接種間隔規定の撤廃

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2020年10月から、ロタウイルスワクチンの定期接種がいよいよ開始されます。ロタウイルスワクチンは、赤ちゃんが打つべきワクチンの中でも優先度が高いものとされていますが、今まではすべての接種を終えるのに30000万円程度(医療機関によって多少の誤差あり)の実費負担が必要でしたが、これからは国がその費用を賄ってくれるようになります。

また、ロタワクチンは乳児早期に打つ最初の生ワクチンという位置づけになりますが、生ワクチンは現行ではその後4週間はワクチン接種ができないため、そのスケジュールを組みこむことによって、他のワクチンのスケジュールへの影響が問題となることが予想されます。

そのために、同時期より、生ワクチンの4週間しばりと、不活化ワクチンの1週間しばりも同時に撤廃されることが決定したようです。

どういうことか、詳しく解説していきます。

ロタワクチンのスケジュール

ロタウイルスとは、乳児の比較的重篤な嘔吐下痢症で、経口感染によってうつるウイルス性の胃腸炎です。(参照記事

ロタウイルスワクチンには現在2種類のワクチンが国内で使用されています。

ひとつはロタリックス(GSK社、2回接種)と、もう一つがロタテック(MSD社、3回接種)です。どちらも飲むタイプのワクチンですが、違いを強いて言うなら、ロタリックスは1価ワクチンで1種類のロタウイルスの血清型に対して作られていますが、ロタテックは5価ワクチンで、5種類のロタウイルスの血清型に対応しています。しかし、1種類のロタウイルスに対して作られていても、他のロタウイルスにも交叉性があり 効果としてはどちらも差はないと言われています。

ロタリックスもロタテックも、腸重積のリスクを避けるために、初回の投与は14週6日までに行わなければならず、ロタリックスは24週まで、ロタテックは32週までに終了しなければいけません。また、投与量も、ロタリックスは1.5mlですがロタテックは2mlと若干多くなっています。

定期接種間隔の撤廃

今までは、生ワクチンのあとには4週間、不活化ワクチンのあとには1週間、他の注射が打てないという規定がありました。そのために、ロタウイルスワクチンを接種する場合は、スケジュール調整に難渋することが多く、定期接種を無事にこなそうとすると、同時接種を余儀なくされていました。同時接種自体は悪いことではありませんが、中には一日に3本も4本も針を刺すのは辛すぎるという理由もあり、バラバラに打つことを希望される人もおられましたが、スケジュールを遂行するためには、その希望を通すことは難しいと言わざるを得ませんでした。また、定期接種期間ギリギリで予防接種をしようとしたときにも、一定期間他のワクチンが打てなくなるため、定期接種期間を超えてしまって結局自費接種になる、といったこともなくなります。

今回の改定は、遅くても2020年10月のロタ定期接種化と同時に施行されるとのことですが、生ワクチンでも不活化ワクチンでも、打った翌日でも、数日後でも、自由に接種することができるようになります。ただし、同一ワクチンの間隔に関しては今のまま規定があります(例えば四種混合やヒブワクチンであれば3週間以上あける(接種開始月齢と回数により多少変動あり)、B型肝炎ワクチンは1回目と2回目を4週間以上あける、など)ので、今のスケジュールと大幅に狂うことはないと思われます。

なぜ間隔をあけなければいけなかったのか

では、なぜ今まで日本では、上記のような間隔規定があったのでしょうか。それは、副作用の観点からです。不活化ワクチンは接種後数日、生ワクチンは接種後1-2週間の間は、発熱などの副作用、また生ワクチンの場合は弱毒化ワクチンのため発症のリスクもありました。そのリスクのマージンをとっての間隔規定でしたが、個々のワクチンの効果に関しては、間隔をあけてもあけなくても変わらず、また副作用のリスクも変わらないことが分かっていますので、日本も世界の基準に従って、今回の改定が行われることになったということです。

例外がひとつだけ

ところが例外のワクチンがひとつだけあります。それは、MRワクチン(麻疹風疹ワクチン)です。このワクチンだけは、接種後4週以内に他のワクチンを打つと効果が減弱してしまう可能性があることが分かっているため、現状のまま、4週間以上あけて、ということになりそうです。

ワクチン後進国である日本も、少しずつ欧米にならって変わっていっていますね。今後も動向が注目されそうです。

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