過呼吸発作の対応について

sponsor’s link

「息がしにくい」「息ができない」という呼吸困難感が強く、荒い呼吸になったまま元に戻せないのが「過呼吸発作」という状態です。過呼吸発作は、医学的に「過換気症候群」ともいわれ、

過呼吸とはどのような病態か

緊張などで息を何回も激しく吸ったり吐いたりする状態(過呼吸)になると、過度のガス交換が行われることになり血液中の二酸化炭素の濃度が低くなる結果、呼吸を調節する神経(呼吸中枢)が呼吸を抑制しようとします。それにより余計に患者さんは呼吸ができない、息苦しさ(呼吸困難)を感じ、「このままでは死んでしまうかもしれない」という恐怖にかられます。ときに、胸の痛みやめまい、意識障害も伴うことがあります。患者さんの多くは、救急車を呼んで救急搬送して病院にこられます。

そしてさらに頑張って呼吸をしようとするため、さらに二酸化炭素濃度が下がり、症状が悪化する、という悪循環になります。

血中の二酸化炭素濃度が高まると、血液がアルカリ性になり血管の収縮が起き、手足のしびれや筋肉のけいれんや収縮も起きます。また、血液pHを調節しようとする働きにより、カルシウムイオンが急激に低下し、「テタニー」という状態になることがあります。
 テタニー症状は、手足の筋肉が収縮して固まってしまう症状のことで、こむら返りのような症状もそのひとつです。テタニー症状でよく知られるのが、手をすぼめたような形になり教科書的には「助産師の手」と呼ばれるものです(写真参照)。助産師さんたちが内診をするときの手つきに似ているため、こう呼ばれているようです。テタニー症状は手を駆血して血流が少ない状態にすることでこの症状が誘発されやすくなるため、診断しやすくなります。

過換気症候群を疑ったときの検査は?

ある程度救急をやっている医師や救急隊員にとっては、過換気症候群の診断は比較的容易です。患者さんは激しい、早い呼吸をして、強い呼吸困難を訴えますが、経皮的に測定できる体の酸素濃度は正常です。

典型的には上に書いたような、テタニー症状が現れますが、血液検査でも、血液のpH(酸性かアルカリ性か)を測定することで診断ができます。血液検査は、動脈(あるいは静脈も可)ガス分析という検査があり、血液のpHだけでなく、酸素濃度や二酸化炭素濃度、そしてナトリウムやカリウム、カルシウムなどのイオンの状態を測ることができます。この検査は特殊なものではなく、救急で一般的に測定するものです。

過換気症候群の対応

過換気症候群の対応は、過剰な呼吸を「抑制」することです。

以前は、「二酸化炭素濃度を上げる」という観点から、呼気に二酸化炭素が比較的多く含まれることを利用して、呼気ペーパーバック法が推奨されていました。これは、口の周りを紙袋で覆い、そこで呼吸をさせるという方法です。(間違ってもビニール袋でしてはいけません)

ただし、頑張ってやろうとするあまりに、低酸素状態になってしまう危険性もあり、自己流で行うことは現在は推奨されていません。

それよりも、「呼吸法」を指導するのが効果的とされています。呼吸法とは、

10秒間かけて息を吐きだす

というだけのものです。呼気に集中して、ゆっくり息を吐きだすことで、吸気はどうであれ、次第に呼吸を鎮めることができます。また、同時に「息が止まることはないから大丈夫」「死なないから大丈夫」と安心させてあげることも重要です。

血液のpHが正常に戻れば、意識障害や痙攣の症状なども次第に落ち着きます。

何か心配ごとがあるのかも

大人の女性で比較的多くみられる過換気症候群ですが、思春期以降の子供にも起こりやすいです。大抵の場合、というかほぼ全例、何か悩み事や心配事をかかえています。再度繰り返すことのないように、おおもとの原因となったことについては、その後しっかりとフォローしてあげる必要があります。

また、過呼吸症状がなくても、テタニー症状だけを繰り返す場合は、体のイオン濃度の異常が懸念されます。その場合は、ホルモンの異常などを検索するために、詳しい血液検査が必要になるため、内科か小児科に相談しましょう。

sponsor’s link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする