心因性頻尿の症例

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急に頻回におしっこに行きたくなってしまう、「心因性頻尿」という病気、ご存じですか?子供に多く、精神的なプレッシャーが発症の原因と言われています。
実際の症例を紹介しながら解説します

症例紹介

7歳女児。今朝から急に、トイレにいく回数が増えた。多いときで5分おきにトイレに行き、少量の尿が出る。排尿時痛はなし。

病院を受診し、尿検査では細菌尿なし、膿尿なし、糖尿なし。膀胱炎などの尿路感染は否定的。便通も正常。飲水量もいつもの通り。体重減少なし。その他、明らかな身体所見の異常なし。

3歳でオムツは取れている。
よく話を聞くと、テレビに集中していたり、夜間にはほとんどトイレに行くことはない。

診断は・・・「心因性頻尿」

検査および診察上、あきらかな異常がなく、本人が意識したときにトイレに行きたくなる病気、それが「心因性頻尿」です。

心因性頻尿はその名の通り、心の状態が不安定になったときにそれが原因となって「頻尿」というかたちで症状が現れます。本人は本当に尿意を感じていますが、当然実際には膀胱には少ししか尿が溜まっておらず、トイレにいっても少量の排尿しかありません。あまり小さいころには起こりにくく、だいたい5歳くらいから発症しやすい傾向があります。

様々な検査をしても、どれにもひっかかりません。強いて言えば、膀胱が収縮しやすい状態になっているのが原因ですが、膀胱の収縮状態を検査で確認することは難しいです。

自己診断は禁物ですが、小児科で尿検査をしてもらい、尿路感染症や糖尿病などを否定してやると、比較的簡単に診断が付きます。

心因性頻尿の原因と対策は?

心因性頻尿の原因となる事柄は様々です。

というのも、本人がストレスを感じたり、プレッシャーを感じたりすることで起こりますが、そもそもストレスを感じていることにすら気づいていないことも多くあります。分かりやすい原因で言えば、「トイレットトレーニング中に怒られてしまった」とか「早くトイレにいくようにきつく言われた」などという、トイレに関連したことがきっかけになることもありますが、その他学校行事のプレッシャーだったり、友達関係のトラブルだったりで発症することもあります。

原因が分かれば、その原因となるストレス源を取り除いてあげるのが一番ですが、なかなか分かりづらい場合は、何をどうしてあげたらいいのか、親も、そして当の子供さえ皆目見当が付かない、ということもありえます。

対策としては、「それ以上プレッシャーを与えないこと」に尽きます。
子供は心因性頻尿の状態になっているときは、多かれ少なかれ、ストレスを感じています。たとえその原因が分からなくても、さらに追い打ちをかけるように、「またトイレに行くの?さっきも行ったでしょ!」と怒ったり、「何か変な病気になっているのかしら・・・」と親が心配になって不安な顔をすると、より一層症状が重くなってしまう傾向があります。子供がおしっこに行きたいといっても、「さっき行ったところだから我慢しなさい!」というのも逆効果です。

頻尿の状態でも、腹痛や排尿時痛がないときは焦る必要がありません。そのときはそのことに触れず、ゆっくり向き合う時間を作ってあげるとよいでしょう

一度、腹を割って話してみるのもひとつの方法

子供は親を心配させたくないので、「何か心配事でもある?」と聞いても、すぐには答えてくれないかもしれません。でも、ゆっくり時間を取って、丁寧にお話しを聞いてあげることだけでも、知らず知らずのうちに不安が取れて、いい方向に向かうことがあります。

また、「ママが怒ってばかりいるから」というような返答をする子もいますし(笑)、ママ自身が「最近怒りすぎているかも」と、自分を顧みてみるいい機会になるかもしれません。

また、子供がある程度の年齢になっていれば、何かに夢中になってトイレに行かなかった事実を教えてあげるもの一つの方法です。例えば、5分おきにトイレに行っていたけど、お友達と遊んでいる1時間の間はトイレに行かなくてもよかったとしたら、そのことを教えてあげましょう。子供も、トイレに頻回に行く自分に不安を感じてさらに症状がひどくなるので、深刻な病気ではないことも併せて伝えてあげることが重要です。

「○○ちゃんのおしっこを溜める袋(膀胱)は、ちゃんと溜められるはずだけど、ちょっと心配なことがあってすぐにおしっこ出したくなっちゃうようになってるんだよ。でもほら、さっき遊んでいるときは1時間も行かないでもよかったでしょ?きっと、あまり気にしないでいたら、そのうちまた元通りになるよ。」

といったように、理論的に説明してあげるといいかもしれません。

なんにせよ、まずはしっかり他の病気を除外して、診断をして、お母さんが安心できたら、いずれよくなる病気です。大きな心配をせず、おおらかな心で接してあげましょう。


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