笑いの効能について

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「笑うかどには福来る」ということわざがありますが、単なる福だけでなく、笑うことが健康にいいということが、近年科学的に証明されつつあります。笑いと健康についてのエビデンスをまとめてみました。

笑うことで免疫力がアップする!?

笑うことはとても大切です。おなかからいっぱい笑ったあとは、心なしか体調がいいように感じる人は多いのではないかと思います。いつも笑っている人は病気とは無縁にも感じますし、巷では笑い療法でがんを克服したなど、笑いが健康に関与するのではないかというのは、おそらく誰しもが思ったことがあるかもしれません。笑うことが個人の免疫力に関連するという報告を最初にしたのは、1994年のアメリカのがんセンターが主催の、免疫療法などに関するシンポジウムだと言われています。ここで、日本人の研究者が、笑いについての効能を調べた研究を発表して反響を呼びました。

落ち込むことで免疫力が下がるって本当?

笑うことで免疫力がアップするなら、逆に落ち込んだときはどうでしょうか?

例えば仲の良い夫婦が死別した場合、残された方も体調を崩しやすかったり、「後追い」と言われるように、病気になってしまったりすることはよくあるかと思いますが、アメリカの研究では夫婦が離婚した際に、免疫力が下がってしまったという研究結果が出ています。日本の研究では、医学生のテスト中の免疫機能を調べ、テスト期間中は全員の免疫力が低下していることが判明し、多くはその後テストが終わると同時に回復しましたが、テストの出来が悪くて落ち込んだ症例だけ免疫力低下状態が遷延したという結果が出ました。

笑うことで免疫力がアップするのはなぜか?

笑うといっても、ふふふ、と笑うだけではなかなか免疫力アップにはつながりません。大きくおなかから「ワッハッハ!」と笑うとき、人間の体には何が起こっているでしょうか?

大きく息を吸いこみ、吐き出している状態

おなかがよじれるほど笑っているときは、大きく息を吸いこんで、限界まで吐き出します。人間の平常の呼吸時は、肺全体の半分ほどしか使用しておらず、しっかり換気されていない部分が存在します。笑うことでこの残気を排出するため、肺の中がリフレッシュします。そのときに、PGI2という物質が分泌され、ストレスホルモンやアドレナリンなど興奮につながるホルモンの分泌を抑制し、リラックスするようになります。残気を吐きだすという意味でヨガの呼吸と通じるところもあるのかもしれません。

PGI2は高血圧も改善させる効果があり、二次的に心筋梗塞や脳出血などのリスクも低下させます。

さらに酸素を多く取り込む有酸素運動にもなるため、3分間で約10kcalもエネルギーを消費できます。代謝もよくなりますね。

普段運動をしない人にとっては、こうして一時的にでも肺機能がアップすることによって、通常よりもさらに効果が高い可能性があります。

さらに、横隔膜を大きく動かすため、その下にある胃や腸などの消化管を刺激し、消化をよくする働きもあると言われています。便秘の解消にもつながります。

自然免疫機能がアップする

お笑いや漫才の寄席に来たお客さんの免疫機能を寄席の前後で測定したという有名な研究があります。免疫機能にはいろいろありますが、がんなどの異常な細胞や異物を取り除く免疫に深く関与するナチュラルキラー(NK)細胞の活性に注目して測定したところ、驚いたことにNK活性は寄席の後で大幅にアップしたという結果となりました。

糖尿病にも有効であるという説

また、免疫力だけでなく、インスリン分泌を促進し、血糖値を下げるという効果もあることが分かっています。Ⅱ型糖尿病の場合は、実際に血糖コントロールがよくなる症例もあります。糖尿病患者さんに漫才を見せ、食事後の血糖値の上昇を調べたところ、通常であれば120前後の上昇がみられていた人たちが、鑑賞後80程度の上昇に抑えられていたことが分かりました。

快感物質が増える

「脳内麻薬」と言われる快感物質であるエンドルフィンの分泌が促進されることも分かっています。エンドルフィンはマラソン選手や登山家の極限状態で分泌され、快感だけでなく強い鎮痛効果や鎮静効果も得られます。

リウマチ患者さんに漫才を聞いてもらったところ、寄席のあとは全員痛みが軽減したという研究結果もあります。

アトピー性皮膚炎のかゆみにも有効

アトピー患者さんたちにコメディ映画を見せたあとは、一様にかゆみの訴えが減ったという研究結果も出ています。また、かゆみだけでなく、紅斑の範囲も減少したとのことでした。前述のように副交感神経が有位になれば、ストレスホルモンも減り、かゆみが減ることで掻把行動も少なくなり、よりいい方向に進んでいくことができると考えられます。

作り笑いでも効果はあり

激務である看護師さん対象の研究では、笑いの効能に関する勉強会を行い、職場での笑顔を実践していくことで、業務が円滑になり、仕事でのストレス値が下がったとの報告があります。さわやかな笑顔をみて嫌な気分になる人はほとんどいないと思うので、周りにも良い影響を与え、それが自分に戻ってくることもありそうですね。

自分を振り返ってみて

忙しいワンオペの日、バタバタする朝、ふと気づくと、お母さんの眉間に深いしわが寄っていませんか?そんなときは、子供も口答えをしたり、ささいなことで喧嘩をしたり・・・そしてついにお母さんも爆発してしまったり。

でも、お母さんに余裕があるときには、子供たちにも余裕があり、ちょっと我慢できたり譲りあいができたり、仲良く遊べたり。

いつもいつも笑顔でいることは大変ですが、日々気づいたときに、険しい顔でなく作り笑いでもいいので口角を上げていけば、「福」が来るのではないかと思っています。そのためには、自分を大切に、自分へのご褒美をたっぷりあげて、楽しみながら育児ができるといいですね!頑張りましょう!

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