縫合が必要な傷の見分け方。

sponsor’s link

子供はよく転んだりぶつけたり、手足だけでなく頭や顔など、どこでも傷を作ってきます。そのとき、そのまま放っておいてもいいのか、それとも病院に行って処置をしてもらった方がいいのか、判断に迷うことがあります。

実際に病院ではどのような判断基準で縫合するかどうかを決めているのでしょうか?

大前提として、じっとできるかどうか

子供の傷口を縫合する場合に、まず一番大事なのは、じっとできるかどうか。赤ちゃんだったら多少動いても、無理やり押さえつけて縫えないこともないですが、そもそも傷をきれいにするために縫うので、暴れたくってしまうときちんと縫えず、結局傷口がきれいにならない、ということも起こりえます。全身麻酔をする必要があるほどの傷を除いては、傷の応急処置だけでは静脈麻酔はリスクを考慮し行わないことのほうが多いので、ある程度自制が効くのか、せめて局所麻酔のときだけでも少しおとなしくできるかどうかは、大きな判断基準となります。

傷口の深さについて

傷の深さによっても、縫合が必要かどうかの判断が変わります。

出血が止まっているかどうか

顔面や頭は特に血流が豊富です。そして、骨ばっている部分も多いため、少しぶつけただけでも意外と簡単に裂けてしまったりするものです。表面だけが裂けてしまったのであれば、しばらく押さえていると出血はとまります。ところが、動脈を損傷してしまっている場合は、圧迫止血だけではなかなか止まらないこともあり、その場合はしっかりと止血するためにも縫合が必要になることがあります。

脂肪組織や筋肉に影響はないか

皮膚が裂けているだけでなく、その下にある黄色っぽい皮下脂肪が大きく裂けていないか。あるいは、筋肉が裂けている場合もあります。皮下組織に大きな損傷がある場合は、上の皮膚だけ寄せてもきれいに治らないので、まず皮下組織を寄せるために一層縫合し、さらに皮膚でもう一層あるいはもっと、縫う必要があります。

傷の場所について

傷口が目立ちやすいかどうか

顔面などは傷口が比較的目立ちやすいため、きれいに治すために縫合という手段が選ばれることがあります。逆に頭の髪の毛で隠れるような部分は、髪の毛を交差させてしばることで皮膚を寄せるということをすることもありますし、ステープラーという医療用ホッチキスでバチンバチンと止めてしまうこともあります。

皮膚がひっぱられやすい場所かどうか

おでこや顎など、直下に骨があって、皮膚がピンと張っている部分は、傷が開きやすいです。縫合をしなくても傷はくっつきますが、傷口をしっかりと寄せるには縫合が最善と判断される場合もあります。仮にテープなどで止めたとしても、テープの力はそこまで強くないため、皮膚の寄り切らなかったところが肉芽組織として傷跡となってしまいます。また、再離開のリスクもあります。

また逆に眼の近くや口の周りなど、日々嫌でも動かさなければいけない部分については、縫合してしまうと引き攣れてしまって下手をすると傷が離開してしまうこともあります。ただし、唇などは審美的にも重要になるので、多少の引き攣れを覚悟して縫合するケースがあります。

口の中の傷は基本的には縫わない

口の中を歯で切ったりすることはよくあります。基本的には、口の中の傷はきれいに縫うのは手技的にも困難で、かなり深くても比較的早期に肉芽が盛って治りやすいので、よっぽどのことがない限りは積極的に縫うことはありません。

受傷機転について

きれいな傷かどうか

泥水や砂などが入りこんで取れない場合などは、感染のリスクが大きいとして、わざときっちり縫わないこともあります。また、動物に咬まれた傷などは、感染のリスクが非常に高いので、基本的には縫いません。(参照;動物咬傷について

また、砂場や土いじりの際には、破傷風の危険性にも注意が必要です。

受診するのは何科?

けがで受診するのは大抵の場合救急科になると思われますが、もしもお近くの病院でいくつか選択肢があるならば、形成外科と小児科の常駐する病院が正解です。縫合自体は外科系であればできますが、形成外科はいわずとも一番細い糸で縫合してくれますし、場合によっては埋没縫合という抜糸不要な縫合方法をとってくれる場合もあります。また、小児科は静脈麻酔を軽くかけて処置をスムースに行うときに役立ちます。ただし、大学病院などの大病院では、研修医が対応する場合もあるので、形成外科が対応できるかどうか、はじめに確認してみるのもひとつです。

一度縫ってもらったものの、きれいに治り切らず形成外科での再手術を余儀なくされた、ということもしばしばあります(動くので仕方がない部分もあります)。はじめの対応が肝心なので、もしもの際には適切に動けるように、日ごろから心づもりしておきましょう。

関連記事;動物に咬まれたときの対応 
夏のレジャーに潜む危険


sponsor’s link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする