デング熱について

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海外でデング熱の流行が報告されています。デング熱とはどんな病気なのか、Neltoku流に解説します。

デング熱は蚊が媒介する病気

デング熱は、ネッタイシマカあるいはヒトスジシマカが媒介する病気のひとつです。デングウイルスを人から人に運ぶ役割をするのがこれらの蚊の吸血行動であり、人から人への直接の感染は起こしません。

ヒトスジシマカは、日本の本州でも一般的によく見られる、黒に白い筋が入った蚊です。ネッタイシマカは、いわゆるヤブカとも呼ばれますが、ヒトスジシマカよりもやや褐色でシマが目立ちにくいですが、その違いは専門家でないと分からないかもしれません。ネッタイシマカは九州南部以南に生息すると言われますが、本州でも山間部ではよく見られます。

ヒトスジシマカよりもネッタイシマカのほうが、病気の媒介能力が高いことが知られています。また、これらの蚊は、デング熱以外にも、黄熱病やジカ熱なども媒介すると言われています。また、デングウイルスはフラビウイルスというウイルス属に属しますが、その仲間には、黄熱ウイルスの他、日本脳炎のウイルスなども含まれています。

デングウイルスに感染した蚊が、生涯感染によって死ぬことはなく、また稀にウイルスに感染した蚊の卵にもウイルスが伝染することも知られています。

デング熱の症状

デング熱の潜伏期間はおよそ3日から10日程度です。14日を超えて発症することはほとんどありません。つまり、帰国後2週間以上たってからの発熱は、デング熱の可能性はほぼないといっていいでしょう。

デングウイルスに感染すると、8割の人は軽度の発熱があるくらいで改善していきます。残りの2割の人が、高熱が出て、デング熱に特徴的と言われる強い頭痛(眼痛)、関節痛、発疹という典型的な症状が現れます。発疹は麻疹によく似ていると言われますが、解熱時期に出てくることが多いと言われています。ただし、発疹がでる患者さんは、全体の5割程度です。

デング熱に感染して重症化する人は5%以下と言われていますが、重症化した場合は、発熱してから4-5日目をピークに、血管から血液成分が漏れ出し、出血傾向が出てきます。この状態になると、「デング出血熱」と呼ばれます。この時期には、熱は下がっていますが、8割の人に血小板減少と白血球数減少が見られます。また、血管が弱っているため、血液検査のために駆血帯を腕に巻いた際に、点状の出血が現れることもあります。

回復期には、熱は下がり、他の様々な症状も急激に回復しますが、倦怠感などは数週間続くこともあります。

高齢者、乳幼児、妊婦、糖尿病の人などはデング出血熱になりやすいリスク因子と言われています。

デング熱の診断

デング熱の診断のためには、まずデング熱を疑うことが最も基本的かつ大事なことです。つまり、特徴的な症状を見逃さず、そしてデング熱の流行地への渡航歴はないか、という問診を必ず実施し、疑えば血液検査で、発症後数日の時点で白血球と血小板の低下が見られれば、デング熱である可能性が出てきます。

正確な診断には、血液などの検体を用いてウイルス分離検査を行うか、PCR検査でウイルスを検出することもできます。ただしこれらの検査は特殊検査であり、すべての病院ですぐ行うことはできません。

デング熱を疑った場合は、デングウイルスの抗原定性検査を行う必要がありますが、これらの特殊検査は、国立感染研究センターあるいは地方衛生研究所に検体を送付しなければいけません。

発症後一週間程度で、デング熱ウイルスに対する抗体が検出されるようになります。デング熱と診断した場合には、必ず保健所への届け出が必要です。

なお、感染を疑った場合には、国立感染症研究センターに、医療機関から直接相談することもできます。
(国立国際医療研究センター国際感染症センター支援デスク電話03-3202-7181(代) 「蚊媒介診療の診療ガイドライン」 より )

デング熱の治療と予防

デング熱に感染しても、特効薬はありません。軽症であれば、外来での経過観察が可能ですが、お口から水分がとれない場合や、乳幼児などは重症化の危険性もあるため、点滴で水分を補給しながら入院治療を行う場合があります。

また、出血熱となった場合には、厳重な管理が必要となり、必要であれば赤血球や血小板の輸血を行います。血管内の脱水がおこりやすいため、輸液と尿量測定をする水分の管理は必須です。

デング熱に対するワクチンはまだ開発されていません。よって、予防するためには、蚊にさされないようにするのは唯一の手段です。ワクチンとともに治療薬も、現在開発されている途中です。

デング熱に何回もかかることもある!?

デング熱にも複数の遺伝子型があり、複数感染することもありえますが、2回目以降の感染においては、重症化しやすいことも報告されています。また、感染した人の遺伝子の特定の型によっては、重症化のリスクがあることも知られています。

おわりに

デング熱は海外の病気ですが、稀に国内での大量感染の事例も発生します。また、大型連休後や海外旅行後には、たくさんの隠れ患者がいる可能性がありますので、気になる症状があれば、医療機関に相談してください。

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