学校心臓健診について

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学校の心臓健診では何をみているの?

学校の心臓健診は、日本独自のものであり、就学後の児童の心臓の状態を、聴診や心電図検査で把握し、必要であれば治療介入するという目的で行われています。実際の心臓健診の様子や、それで見つかりうる病気について、書いてみます。

学校心臓健診の実際

学校心臓健診は、毎年就学時に行われる集団検診です。1950年代から開始されており、心臓の弁の病気や、突然死のリスクが高いと言われる心電図異常を持つ子供を早期に発見することを目的としています。

一次健診

・内科健診

内科医・小児科医による診察で、心臓の雑音がないか、脈の不整がないか、また、心臓病をもつ特有の顔貌がないか(出生時より見逃しがないか)など、総合的に判断して、二次健診の必要性を判断します。同時に心電図検査も行います。

・担任や学校責任者および保護者による問診票の記載

学校生活において、または家庭生活において、心臓疾患を疑うような症状がないかどうか、または、過去に心臓疾患を患っていて、いつのまにか病院のフォローアップが抜けていることがないかどうか、家族や血縁者で心臓病(あるいは原因不明)で急死した人がいないかどうかなど、問診形式で二次検査の必要性を判断します。

二次健診

二次健診に回った人は、病院で循環器専門医による専門的な診察を行います。

診察の方法は、問診・心電図・レントゲン検査の他、必要であれば、24時間ホルター心電図(電極を体に貼り付け、日常生活を送ってもらい、まる24時間の心電図を記録する検査)や、トレッドミル検査(運動前後の心電図の変化を調べる検査)、心臓エコー検査などを必要に応じて行います。

二次検査を受ける場合は、「心臓病の指導管理票」というものを配布され、病状に応じて、必要であれば運動制限などを記載する欄があります。

心臓健診の重要な目的

心臓健診では、上記のような手段を用いて、見逃された先天性の心疾患がないか、または、後天的に発症した心疾患がないかどうかを確認することが主な目的です。そして、その中でも重要な疾患として挙げられるのが、QT延長症候群とBrugada症候群いうものです。

QT延長症候群とは

QT延長症候群とは、遺伝性・先天性の心臓病で、心電図で「QT時間」という部分が延長しているのが診断の手掛かりになります。このような心電図異常を起こす人の中で、年間2%の人が突然死を起こすというリスクがあります。

QT延長症候群の人は、普段はなんの症状もなく元気です。ところが、何らかの原因によって、命にかかわる不整脈を起こしてしまうと、救命が困難になる場合があります。

QT延長症候群の有病率は不明ですが、2500人に1人はいるとされています。QT延長症候群の人の6割に遺伝子異常が見つかります。また、稀ですが内服薬などによっては、QT延長を起こす可能性があるものもいくつか指摘されています。

QT延長症候群による突然死の予防

上にも書いた通り、QT延長症候群の人は、いつ致死的な不整脈を起こすか分からないにも関わらず、普段はまったく症状がないために、心電図をとってみないと診断できません。なので、学校健診で心電図をとって、早めにQT延長の人を抽出し、家族歴などを確認したうえで、定期的な受診を促したり、運動を制限したり、有事の際の対応などの説明を行ったりします。

Brugada症候群

Brugada(ブルガダ)症候群は、心電図でST部と言われる部分の電位の上昇や、特徴的な形が見られるものです。アジア人男性に多いと言われており、Brugada型の心電図の人も、突然死のリスクが健常人より高いことが分かっています。QT延長症候群より頻度は低く、10000人に1人程度の割合です。安静時や夜間の致死性不整脈が多いと言われています。

上記以外にも、不整脈を来す疾患はたくさんありますが、まずはこれらの致死的な不整脈疾患を見つけることで、突然死の頻度を下げられると考えられています。

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