子供の脳動静脈奇形について

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子供の脳動静脈奇形について

子供の病気で、意外に知られていないのが、脳動静脈奇形と言われるものです。これは、脳腫瘍よりも頻度が高く、また子供において合併症が起こる確率が高いとも言われています。

今回は、この脳動静脈奇形について説明します。

脳動静脈奇形(AVM)ってなに?

通常、体の中の血管は、心臓から出て肺で酸素を吸収し全身に回る動脈と、末梢での二酸化炭素や老廃物を回収して心臓に戻る静脈とに分けられます。両者は普段は交わることはないのですが、稀に動脈と静脈がくっついてしまう奇形が動静脈奇形(AVM;arteriovenous malformation)です。

動静脈奇形は、大抵の場合、血管が集まってボールのように絡み合っています。そのなかで、動脈血と静脈血が直接混ざりあっています。大きさは様々ですが、1cm程度のものから、3cmを超えるものまであります。当然、大きければ大きいほど、何等かの症状を来すリスクが高まります。

この動静脈奇形は、全身のどこにでもできる可能性がありますが、これが脳にできている場合を、脳動静脈奇形と言います。

    (京都大学脳神経外科HPより)

AVMができる頻度と原因は?

AVMの原因はよく分かっていません。ただし、おそらく生まれつきあるものと考えられます。遺伝性はないと言われています。およそ、10万人に1人の割合で発生すると言われています。

AVMの症状は?

通常生活をしている場合は、あまり症状は現れません。ただし、異常な血管の中は血流が豊富で、血管自体にかなり負担をかけている場合が多いです。

なので、年間2-3%の割合で、ナイダスが破れて脳内出血を起こすリスクがあると言われています。また、初回の出血は脳が成長する小児期が多いとも言われています。

脳内出血が起こったからと言って、すぐ命につながるわけではありませんが、初回の出血で死亡するリスクも10%前後あるとも言われています。また、一度破れた血管は、再出血を起こすリスクもかなり高まります。

また、異常血管がある部位によっては、意識消失や痙攣などの発作を誘発することもあります。

AVMは突然の出血で見つかる率が50%程度、てんかんなどの精査で見つかる場合が20-30%と言われています。

AVMの治療は?

破れなければ症状を起こすことも少ないAVMですが、やはり若年者の場合は、頭の中に爆弾を抱えているのと同じ状況なので、手術や放射線による治療を行う場合が多いです。奇形血管の部位によっては、手術が不可能な場合もあり、専門機関での評価が必要になります。

AVMとよく混同される病気

「もやもや病」という病気があります。これは、生まれつきあるいは脳梗塞などによって脳の主な動脈が狭くなっている場合に、側副血行路といって、血流の副経路が二次的に発達するという病気です。

脳血管造影で、いわゆる「もやもや血管」が描出されるのでこの名前が付いています。

病気の主体は、脳の血管の狭窄です。

詳しくは別記事をご参照ください。

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