伝染性紅斑ってどんな病気?

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伝染性紅斑ってどんな病気?

実は2018年から、伝染性紅斑が流行しているのをご存じですか?伝染性紅斑とは、いわゆる「リンゴ病」と言われているものです。

どんな症状か、注意すべき点など、見ていきましょう。

伝染性紅斑の原因ウイルス

伝染性紅斑の原因となるウイルスは、ヒトパルボウイルスB19 というウイルスです。

成人でも子供でも発症しますが、子供から広がることが多いようです。主に飛沫感染で拡散すると言われており、感染者のつばやよだれに含まれ、それを摂取することで感染を引き起こします。

伝染性紅斑の症状

子供では典型的にはリンゴのように赤いほっぺたを呈し、同時かやや遅れて、四肢を中心にレース状と表現される網目状の紅斑が出ます。この時期に診断がつくのですが、実は実際の感染はその少し前で、一週間から10日前に人によっては発熱や悪寒などの感冒症状が出ていることがあります。つまり、発疹期には、すでに感染力はありません。

成人においては、特徴的な頬の症状はあまり典型的ではなく、四肢の淡い紅斑と、関節痛の症状が強いのが特徴です。場合によっては、指輪がきつくなるなど、むくみが顕著になる場合もあります。関節症状は患者さんの6割程度に発現すると言われています。関節症状は、長い場合には数か月持続することもあるようです。

伝染性紅斑の合併症

通常は重篤になることは少ない伝染性紅斑ですが、稀に合併症を起こすこともあります。

腎合併症

発症2-3週間あとに、腎炎を起こすことがあります。これは、溶連菌感染後の腎炎と病態が似ており(参照;溶連菌性咽頭炎の合併症)、蛋白尿が出て、ひどい場合には全身がむくんだり、血尿が出たりします。多くは一時的なもので、対症療法のみで次第に改善します。

aplastic crisis(一過性骨髄無形成)

もともと、溶血性貧血という持病がある人がこのウイルスにかかると、骨髄での造血作用が一気に抑制され、血液の成分が全く作られなくなるという怖い合併症があります。この場合は、強い貧血を起こします。

胎児水腫

妊婦さんが感染すると、その胎児に影響が出ることも知られています。これは、妊婦さんが初めて感染すると、2割くらいの確率で胎盤を通して胎児に感染してしまい、造血機能がまだ未熟な胎児に重篤な貧血を起こすというものです。場合によっては、胎児死亡にもつながるので、妊娠初期での初感染は十分に注意が必要です。

伝染性紅斑の診断方法

子供では特徴的な皮疹で比較的容易に診断できますが、不顕性感染(=症状があまりでない感染)も多いと考えられています。成人では関節症状や手足の皮疹で気づかれることもありますが、膠原病の疑いをかけられたり、診断は難しいです。

血清学的には、ヒトパルボウイルスの抗体が上昇しているかどうかで判定することができます。だいたい発症から7日目以降に抗体が上昇しますが、ペア血清といって、時間をあけて2回血液を採り、抗体の値を比較して4倍以上に上昇しているようなら診断できます。

血清学的診断には、通常一週間程度時間がかかります。

伝染性紅斑と診断されたら登校は可能?

伝染性紅斑の診断は、大抵の場合は、発疹期になされるため、すでに感染力は消失している場合がほとんどです。そのために、リンゴのほっぺで診断された場合も、登校/登園を妨げるものではありません。

伝染性紅斑は聞きなれない病気ですが、実際子どもがかかってもあまり困ることはありません。どっちかというと、大人がかかると関節炎の症状が長引く傾向にあります。変な発疹が出たり、手指の関節が痛むような症状が続く場合には、一度内科受診をおすすめいたします。

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