魚の生食に注意!腸管アニサキス症について。

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突然の腹痛をきたす、アニサキス症とは

症例

15歳男児。
受診当日、家族で寿司屋に行ったとのこと。
帰宅後、みぞおちの差し込むような痛みあり。
悶絶するくらい強い痛みとなり改善しないため、夜間救急外来受診。

受診時の所見
顔色正常、苦悶様。
嘔吐なし。下痢なし。
心窩部痛強い、盲腸部や下腹部痛はなし。

腹部CTで胃壁の肥厚と浮腫あり。
胃内視鏡で胃壁に白い糸状の物質が張り付いていた。

診断は?

上記の症例が、腸管アニサキス症の典型的な症状です。

生魚を摂取した数時間後に、突然強い腹痛を訴えます。食中毒も疑われる状況ではありますが、食中毒に典型的な症状である下痢や嘔吐は通常ありません。

胃内視鏡で観察された、白い糸状のものが、そのものアニサキスです。(閲覧注意)

(写真は神奈川県水産技術センターよりお借りしています)

写真に写っている、白い糸状のものがアニサキス本体です。生魚の皮と身の間の部分や、内臓に寄生する寄生虫の一種です。写真真ん中のように、丸くとぐろを巻いている状態でよく発見されます。

通常アニサキスは魚類一般に寄生しますが、寄生された魚類の生食で、人の体内に入ると、胃壁を食い破って侵入したり、腸管を破ってしまうこともあります。しめ鯖の加工品や、イカなどの生食でも発症することが知られています。

多くは胃のアニサキス症が知られていますが、実は胃を通り越して腸まで行ってしまうこともあり、特に小腸は内視鏡カメラが届かないので、診断が難しくなる場合があります。

内視鏡で直接確認できない場合には、CT検査が有用になります。CTで腸管壁の肥厚がみられた場合、がんなども鑑別に上がりますが、痛みを伴う急性疾患の場合は、寄生虫も念頭に置かなければいけません。

治療は?

胃のアニサキス症であれば、病変部を見つけて、アニサキスを胃壁から取り除くことで、症状は一気に回復します。

また、アニサキスを摂取すると必ず激痛を発症するわけではなく、大多数は便となって体外に排出されていると考えられます。一部のアニサキスが胃や腸管にとどまり、運悪くアニサキス症を発症すると考えらえます。

また、痛みがなくても腸管壁にアニサキスが侵入し、腸管壁が肥厚して、腸を閉塞させてしまう事例も散見されます。

虫下しの内服薬は、アニサキスに対してはありませんが、正露丸が有効という文献も見られます。

by カエレバ

アニサキス症を予防するためには?

魚介類の生食を避けるのが一番の予防ですが、日本人はお寿司やお刺身が大好きです。

一般的には-20℃で24時間以上冷凍するとアニサキスは死滅するため、回転すしチェーン店などの刺身は安全と言われています。

また、60度以上1分の加熱でも死滅するため、調理してあれば安全です。

アニサキスは比較的大きい寄生虫なので、しっかり見れば除去することができます。それでも新鮮なお魚を生食したい!という場合は、皮と身の境や、内臓周辺などに虫体がいないか、しっかり確認してから食べるようにしましょう。

アレルギーにも注意!

魚アレルギーがなくても、アニサキスに過敏症があれば、魚を食べたあとにアレルギー症状を発症する場合もあります。魚アレルギーに隠れたアニサキスアレルギーにも注意しましょう!

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