2019年、現在流行中の感染症

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2019年、年始に流行中の感染症について

2019年となりました。年末年始で人の移動があり、おそらく人とともに、多くのウイルスたちも動いたものと思われます。

国立感染症研究所の最新の感染症週報から、最新の感染症の動向を予想します。

インフルエンザ

10月以降、インフルエンザの報告数は少しずつ増加していますが、まだ爆発的な流行とまでには至っていません。局所的な学級閉鎖などは見られていましたが、むしろ、例年よりも流行は遅いと考えられます。

また、昨年はインフルエンザBの大流行がありましたが、今年はインフルエンザAが例年通り優勢になっています。

ちなみに、昨シーズンのインフルエンザ患者数のピークは1月後半から2月初旬ごろで、今年はそれより遅れるのではないかと思われます。

醜いですが、以下のグラフで赤い●で示されているのが、2018年シーズンの患者数の発生動向です。

RSウイルス

例年12月~1月ごろピークを迎えるRSウイルス感染症ですが、2018年~2019年のシーズンは珍しく8月あたりにピークがありました。

患者数はその後一旦落ち着きましたが、やはり冬になって再度増加してきています。

伝染性紅斑

このシーズンで特徴的なのは、伝染性紅斑(リンゴ病)が多いということです。リンゴ病は特徴的な皮疹で診断できますが、診断できるころには感染力がなくなっているため、むしろ診断前に感染が広がってしまいます。

2018~2019年シーズンは、過去五年間の平均の患者数のおよそ3倍程度の報告数があり、流行しているといえます。

胃腸炎

冬場にはやはり感染性胃腸炎の患者さんが増えます。この冬も、やっぱりたくさんの方が外来に来られています。胃腸炎は感染力が強いため、保育園などではあっという間にクラス全体に広がることもあり、予防はなかなか難しいですが、注意が必要です。

咽頭結膜熱(プール熱)

プール熱はアデノウイルスによる、咽頭炎+結膜炎症状を来す病気です。プール熱といえば、夏に多いと思われがちですが、例年冬にも一つのピークがあります。いつも年始には流行が落ち着いてくるのですが、このシーズンはまだ増える可能性があります。

溶連菌

溶連菌性咽頭炎もこの時期から増加します。溶連菌も感染力が強いですので、流行には十分な注意が必要です。

風疹

他の記事にもしているように、2018年から風疹の流行が続いています。

2018年最終週の速報でも、まだ患者数が増え続けており、少し増加の速度が緩まったとはいえ、まだまだ油断できる状況ではありません。

予防接種が2019年から年齢制限ありですが無償化されますが、接種してもすぐに効果がでるわけでもないため、まだまだ増えていくと思われます。前回大流行となった2013年のグラフ(左端の濃い赤色)と比較して、2018年(右端の明るい赤色)は同じくらいあるいはもう少し患者数が増えていく可能性も十分にあるため、妊娠の可能性がある方は特に注意が必要です。

年明けは、感染症の動向が大きく動きやすい時期のひとつでもあります。なるべく病気をもらわないように、手洗い・うがいはきちんと行い、体調管理につとめましょう!

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