過敏性腸症候群

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子どもの過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、英語でIrritable Bowel Syndrome(IBS)とも呼ばれ、検査所見での異常がないのに、おなかの痛みなどが数か月続く症状のことをいいます。

主に若い女性に多い病気ですが、近年は小学校高学年、中学生などにも増えてきているように思います。最近の統計では、中学生の約5%、高校生の約10%近くの子供に過敏性腸症候群に当てはまる症状があることが指摘されています。

IBSの診断基準

最近3ヵ月の間に、月に3日以上にわたってお腹の痛みや不快感が繰り返し起こる

・下記のうち、2項目以上の特徴を示す

1)排便によって症状がやわらぐ

2)症状とともに排便の回数が変わる(増えたり減ったりする)

3)症状とともに便の形状(外観)が変わる(柔らかくなったり硬くなったりする)

IBSの診断基準は、画像検査や血液検査などで異常がないことを前提に、上記を満たすものです。まずは、発熱や体重減少など、器質的な疾患がないかどうか、しっかり調べてあげる必要があります。

また、この診断基準に当てはまらない子供も多数おり、まとめて「機能性腹痛症候群」と呼ばれています。

IBSの原因

IBSを発症する原因は、複数の原因があること・人によって原因が少しずつ違うことなどから、はっきりしたものは定まっていません。

ただし、精神的ストレスを感じることによって、腸の動きが亢進し、また痛みを感じる知覚神経も過敏になることで、痛みを感じやすくなっています。また、交感神経と副交感神経のバランスが崩れているとも言われています。腸管で、ストレスホルモンと言われる種類のホルモンが多く分泌され、それが自律神経をかく乱させ、便通異常や痛みを来します。

また、胃腸炎などの炎症の後から発症することも多く、腸内細菌のバランスが崩れることや、感染による腸のダメージなどが引き金となることがあります。

また、過敏性腸症候群の人は、頭痛やめまいなど、他のしんどい症状も引き起こしやすいです。自分の主張を通さずに周りに合わせてしまうタイプ、ストレス解消のやり場がない場合などに、心身症として現れることもあります。

IBSのタイプ

IBSは、便秘になったり下痢がちになったり、または両方の症状が交互に現れたりと、いろいろなタイプがあります。これらは、便の固さなどからおおきく3つに分類することができます。

便秘型:コロコロとした固い便になります。

下痢型:泥状、水様の便になり、長いことトイレにこもることがあります。

交代型:便秘と下痢を交互に繰り返します。

治療は、この排便のタイプによって、分けられます。

IBSの治療

まずはどのタイプも、早寝早起き、食事を3度しっかり摂る、睡眠をしっかりとる、など、基本的な生活習慣の改善が大前提です。また、ストレスのもとになっていることがはっきりしていれば、そのストレスを最大限取り除く努力が必要です。

また、周りの理解も必要です。IBSの子供は、両親や学校関係者から、仮病・詐病と疑われて追い込まれていることも多いので、しっかりした病気であると、まず周りが理解してあげられないと、治療は進みません。痛みを感じる度合いは本人にしかわからないのですが、「学校に行きたくても行けない本人自身が、一番葛藤がありつらい」ということをまず共感してあげることが必要です。

そのうえで、薬物治療で症状の緩和をはかります。

高分子重合体(ポリフルなど)下痢型、便秘型両方に使えるお薬です。

選択的セロトニン受容体拮抗薬(セレキノンなど) 差し込むような腹痛によく効き、腹痛の第一選択薬です。

抗コリン薬(ブスコパンなど) 腸の異常な運動を抑える働きがあります。

プロバイオティックス ラブレ菌(Lactobacillus brevis KB290)も症状緩和作用があるという論文もあります。

漢方薬 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)なども、腹痛の緩和に用いられます。

by カエレバ

そして、特に心理的ストレスの影響が強いと考えられる子どもには、心理療法が有効であることもあります。

こころの専門外来

社会的な要因が強いと判断されるような症例では、認知療法や心理療法など、心理的なアプローチが有効である場合もあります。特に、不登校を伴うようであれば、早めに臨床心理士なども交えた他職種の連携を始めたほうがいいかもしれません。

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