子供の血液検査の見かた~生化学検査編~

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子供の血液検査~生化学検査編~

子供の発熱が続くとき、元気がないとき、けいれんを起こしたとき、それ以外にも何か重大な症状があるときに、血液検査を行う場合があります。血液検査は多数の項目があり、結果を解釈するのが難しいのですが、ここでは簡単に医者が何を考えて検査をするのか、何を重点的に見ているのかを説明します。

今回は、生化学検査について説明します。

生化学検査とは?

血液検査は一般的に、血球とそれ以外の成分に分かれます。血球は後述するように、白血球・赤血球・血小板という細胞成分ですが、生化学検査とはそれ以外、つまり「血漿(けっしょう)」の部分に溶け込んでいるミネラルや酵素などの物質です。

厳密には血漿の中でも、血液を固める成分(凝固成分)を抜いた残りである「血清」を用いて検査を行います。一度完全に血液が固まった後、上澄みを分離する必要があるため、検査にはある程度の時間がかかります。

また、何等かの理由で血球が壊れると、血球の中の成分が血清に溶け出して、検査結果が狂ってしまうことがあります。

一般的な血清の検査

いろいろな検査は、この血清を用いて行われることが多いです。そのため、検査項目も非常に多く、とても全員で全部を測定することはできません。また、特殊な検査になればなるほど、検体を検査会社に委託して行う必要があるために、日数がかかることになります。例えば、自己抗体やウイルス抗体の検査、アレルギーの検査、その他の特殊検査です。ここでは、一般的にルーチンで行われることが多い生化学検査を挙げてみます。

電解質

いわゆる、塩分のバランスです。体液の塩分バランスは、脳だったり腎臓だったりが調整しています。ここが狂ってしまうと、塩分バランスが崩れてしまいます。また、脱水があっても変動しますし、血管の炎症があると、血管から塩分が漏れ出してしまい、変動してしまいます。変動の幅が大きい場合は、点滴などによる補正が必要になります。

肝機能

AST・ALT・LDHは、肝臓の細胞内の酵素です。これが上がっていると、肝臓の病気が疑われます。ただし、これらの酵素は血球などにも少し含まれているので、血球が壊れる病気や、採血手技によっては血球が壊れてしまい、これらの値が上昇することがあります。

ALPという酵素は、胆道系酵素といって、胆のう・胆管の流れがうまくいっていないと上がるものです。子供では一般的に高値ですが、これは骨にも同様の酵素が含まれており、成長するにあたって骨からこの酵素が溶け出しているためで、おおざっぱではありますが、1000以下であればだいたい正常範囲とみなします。

腎機能

Cre(クレアチニン)・BUNといった値です。Creは体格によって一定の値になるようにだいたい調整されているので、この値が上がると、腎臓に負担がかかっていることが示唆されます。小児の場合は、大人より体格が小さいため、大人の基準値の半分以下が正常値です。また、腎臓自体には異常がなくても、脱水があっても腎臓に負担がかかるためこれらの値が上がります。

栄養

総蛋白・アルブミンという値は、体の中の栄養の指標です。食事が摂れないといったときに、徐々に下がってくる傾向があります。また、血管や腎臓が痛んで栄養分が漏れ出してしまうこともあり、そのときにも低下します。アルブミンの値が下がると、血管内に水分が足りなくなり、むくみがでてくる場合があります。

炎症反応

CRP(C Reacted Protein)という値は、体全体の炎症の指標です。風邪などのウイルス感染ではあまりあがることはありません。逆に、細菌感染など重症感染症では高値になる傾向があります。発熱してから半日くらい遅れて上昇してくると言われていますので、発熱初期に血液検査をしても変化がないことが多いです。

また、PCT(proカルシトニン)という値も炎症の指標として使われます。CRPよりも早期に上がってくると言われています。

CRPもPCTも、高値だから重症、とか、上がっていないから軽症と言い切ることはできません。あくまで参考所見です。

一般的に小児科で行われる血液検査の代表的なものについて説明しました。病状によって、検査の値の重要度や解釈も違ってくることもあります。その他の専門的な血液検査もたくさんあります。病気のときの血液検査に際して、疑問などがあれば遠慮なく医師の説明を仰いでください。

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