良性発作性頭位めまい症ってなに?

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良性発作性頭位めまい症について

めまいとは、「ふらふらする」「目の前がぐるぐる回る」「目の前が真っ暗になる」など、いろいろな症状があります。平衡感覚をつかさどる耳に問題がある場合や、頭の中の病気、脳や全身の血流不足やストレス症状など、いろいろな病気が考えられますが、今回は、その中で良性発作性頭位めまい症にスポットをあてて解説します。

内耳の構造

耳の構造を示します。(画像出典:memai-navi.com/chishiki/genin01.html)

耳の奥、鼓膜のさらに内側を内耳を呼び、そこに三半規管と前庭という場所があります。この2つは、主に平衡感覚をつかさどる部分です。めまいは上述したように、いろいろなことが原因で起こりえますが、ここに炎症やトラブルが起こると、めまいが起こります。

症例

小学生の男の子。遊んでいて側頭部を強く打った。
その直後より、めまい症状があり、来院した。

【来院時の所見】

顔色やや不良
心拍数、呼吸数、酸素飽和度異常なし。
嘔気あり。

「目の前がくるくる回る」という回転性めまいの症状あり。
難聴や耳鳴りなし。頭痛なし。他の神経学的異常なし。

頭位を変換するとめまい症状の誘発あり。持続時間は10秒程度。眼振を伴う。
じっとしていると症状は緩和される。

頭部CTにて頭蓋内出血なし。側頭部に皮下血腫あり。内耳に形態的異常や腫瘍なし。

良性発作性めまい症のメカニズム

三半規管の根元に少し膨らんでいる場所があります。ここに、クプラと呼ばれる感覚毛があり、その周囲には炭酸カルシウムを主原料とする「耳石」と呼ばれる石が付着しています。

三半規管はリンパ液で満たされていますが、頭や体を動かしたときに、中のリンパ液に流れが起こり、それにつられて耳石が動き、クプラを刺激することで、重力の方向を知ったり、回転している方向を知ったり、傾きを知ったりすることができます。

三半規管は3つのループからなり、それぞれが水平や垂直の回転を感じとり、それを統合して3次元の動きを認識できる仕組みになっています。

外傷など何等かの契機にこの結石が浮遊してしまい、三半規管に入りこんでしまうと、実際とは違う感覚が誤入力されてしまうために、めまい症状を来します。

良性発作性頭位めまい症の診断

良性発作性頭位めまい症の診断基準を示します。

特定の頭位をとると,回転性のめまいが起こる。

・めまい発現まで若干の潜時があり、次第に増強した後に減弱・消失する。めまいの持続時間は概ね数秒~数10秒である。このめまいは開閉眼に関係なく発現することが多い。

・めまい発現時にはめまい症状に伴って増強―減衰する眼振が観察される。

・引き続き同じ頭位を繰り返すと、めまいは軽減または起きなくなることが多い。

・めまいには難聴や耳鳴などの聴覚症状を随伴しない。また、嘔気・嘔吐をきたすことがあるが、めまい以外の神経症状を随伴することはない。

(良性発作性頭位めまい症ガイドラインより引用)

症例の解説

耳鼻科に診察を依頼し、頭位変換によって誘発されるめまいと眼振が確認されました。

外傷をきっかけに起こっためまい症状ですが、側頭部に衝撃が加わったことにより、耳石器から耳石が遊離して、三半規管内に入りこんでしまったものと考えられました。そして、頭位を動かすたびに、浮遊した耳石が動き、めまい症状が誘発されたものと考えられました。

この症例では、当初症状が強く、口から食べものを摂取できなかったため、入院治療が必要でした。強いめまい症状は約1日で改善し、その後3-4週間かけて徐々に改善していきました。

良性発作性頭位めまい症の治療として、epley法というものがあります。眼振の方向によって、耳石が入りこんだ半規管を推定し、頭位を順番に変えていくことで、半規管から耳石を取りだす方法です。

epley法はインターネットにたくさん載っていますが、耳石の入りこんでいる半規管の判別をしてからでないと、無駄骨どころがただただしんどいことをするだけになりますので、ひとまず耳鼻科に行くことをお勧めいたします。

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