子供に対するタバコの害について

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タバコは子供にどのような影響を与えるか

タバコの煙に含まれるもの

春になると、偏西風にのって中国からPM2.5が飛んできて、それにより喘息やアレルギーが増える、などの話題がよくあがります。PM2.5とは大きさが2.5μm(マイクロメートル)以下のさまざま微粒子の総称です。粒子の大きさが小さければ小さいほど、肺の奥底まで吸いこまれてしまい、炎症を起こしてしまうので、喘息やアレルギー症状を起こします。通常鼻や咽頭の粘膜でトラップできるのは10μm以上といわれています。ちなみにスギ花粉は約30μmですので、PM2.5はスギ花粉の約1/10の大きさです。

実はタバコの煙はこのPM2.5のかたまりです。環境省が定める環境基準では、35μg/m2以下にすることが望ましいとされており、通常都市部でも測定値は10-30μg/m2程度です。喫煙した室内では、PM2.5の濃度が370μg/m2にも達します。これは、大気汚染レベルで言えば緊急事態で、間違いなく外出禁止になります。

またタバコの煙には、ホルムアルデヒド、ベンゼン、アンモニアなどのガス成分のほかに、カドミウムなどの重金属、放射性物質であるポロニウム-210、ヒ素、さらには発ガン性物質として話題になった多環芳香族炭化水素(PAH)を代表とする約70種類の発がん性物質が含まれます。

これらの有害物質はほとんと目に見えません。タバコの煙として目に見える有害物質は1割程度と言われており、残りの9割は速やかに広範囲に拡散していきます。無風状態で8m先に拡散したというデータもあります。

換気扇の下で吸っても取り除けない

禁煙指導をするとき、よく「いつも換気扇の下で吸ってるので大丈夫です」と言われますが、実は換気扇の下で吸っても30%程度しか有害物質は除去できません。さらに、喫煙者の服や髪の毛にも高濃度で有害物質が付着しますし、喫煙者の吐く息にもたくさん含まれています。しかも、喫煙後30分以上、最低でも8時間は一酸化炭素などの有害物質が放出され続けることが分かっています。

同じ理由で、ベランダで喫煙する場合も同じです。

非喫煙者は、たばこを吸った人が部屋に入ってくるだけで分かります。それくらい、周りに臭いを発散している、つまり、毒物を体にまとっている状態です。

受動喫煙は具体的にはどのような影響があるのか

乳幼児突然死症候群

両親が喫煙者の場合、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが約5倍になることが分かっています。乳幼児突然死症候群とは、元気な赤ちゃんが特に誘因なく突然死する怖い病態です。

早産・流産

妊娠中に喫煙すると、胎盤を通してタバコの成分が胎児にも影響を及ぼします。流産や早産が約1.5倍増えるといわれています。また、母親が受動喫煙した場合でも影響がでることが分かっています。また、妊娠率の低下も指摘されており、不妊の原因にもなります。

喘息

外来でもっともよく見るのが喘息です。ゼイゼイしている子供さんを心配そうに連れてくる両親からタバコの臭いがプンプンすることもあります。大抵は治療抵抗性で、いくら喘息の治療を行っても、両親が禁煙しない限りは発作を繰り返します。タバコの喘息の関係

中耳炎

タバコの煙により内耳の免疫力が低下し、中耳炎を起こしやすいことも分かっています。中耳炎を繰り返すと、将来の難聴につながる場合もあります。

がんの発症

喫煙者がいる家庭で育つと、その子が非喫煙者であっても、肺がんにかかる確率が、およそ2倍に高まると言われています。また、脳腫瘍、白血病、鼻腔がん、乳がんなどの悪性腫瘍も喫煙と関係があるという研究結果も出ています。

知能/身体発達

喫煙者がいる家庭の子供さんは、非喫煙者の家庭と比較して知能指数が低いことが統計的に分かっています。また、衝動性が強く、将来犯罪者になりやすいとの研究報告もあります。これらの影響は、特に妊娠初期での喫煙歴が関係すると報告されています。

また、身長も喫煙者の家族のほうが1cm程度低いと報告されています。

そのほか長期的な影響

そのほか、長期的な影響として、発達障害のリスク、生活習慣病(動脈硬化、高血圧、糖尿病など)のリスクとそれに引き続いて脳卒中、心血管障害(心筋梗塞など)などなど、あげればきりがないほどです。

上記はまだ一部分だけで、まだまだ分かっていない害もあります。

自分だけならまだしも、たばこを子供の前で吸うのは、本当に本当にやめてほしいです。大切な子供に毎日毒を盛っているということをしっかり自覚して、禁煙に取り組みましょう。

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