BCGワクチンからヒ素が検出!
乳児の結核予防のためのワクチンである、BCGワクチンから微量のヒ素が検出されたことがニュースになっていました。
このことが発覚した8月から、メーカーはBCGワクチンの出荷を停止していたとのことでしたが、全く情報が回ってきていませんでした。
ヒ素はどこから?
国内のBCG接種に使用されるワクチンは、ひとつの会社がすべて製造しています。そして、この会社は2008年から同じメーカーの容器を使っていたようです。
BCGワクチンは、瓶入りの結核の弱毒菌と、同じく瓶入りの食塩水とが同梱されていて、注射をする直前に二つを混ぜ合わせて、赤ちゃんの皮膚の上に滴下、そしてその液を薄くのばし、そのうえから細い針が9本付いたハンコのような注射を2回うちます。そうすることで、表面の薬剤が皮下に到達するという仕組みです。
ヒ素は、生理食塩水の容器を密閉する際に熱を使うので、容器から溶け出したものであると発表されています。ヒ素が検出されたワクチンのロット番号(製造番号)は公表されていませんが、検査されたものすべてから基準値超えのヒ素が検出されていることから、ほとんどすべてのBCGワクチンに、一定量以上のヒ素が入っていたことが予想されます。
ヒ素の量はどれくらい?体に影響は?
厚生労働省の発表によれば、検出されヒ素は基準値の2倍以上の量であったが、人体に影響を与えるレベルではないとのこと。従って、すでに出荷されているものに関しては回収を行っておらず、おなじロット(製造番号)のお薬を接種された乳児もたくさんいると思われますが、ヒ素によると思われる健康被害の報告は今のところないとのことです。
ヒ素は、自然の土壌や水中、また日常生活よく食べる食品にも含まれており、今更パニックになる必要はないと考えられます。
また、ヒ素の混入によりワクチンの効果が落ちることもないと考えられます。
なぜ今になっての公表なのか
ただし、なぜ分かった時点で公表しなかったのか、その時点でしっかり説明をして回収をしていれば、ということが悔やまれます。このことで、なにかやましいことがあるのではと、やっぱりワクチンが怖くなって、接種控えが起こることも予想されます。ヒ素の問題はすでに解決され、今月には新しい方法で作られたワクチンの出荷がはじまるようです。正しい情報を知り、正しく定期接種を打たれることが重要と考えます。
そもそもBCG接種は必要なのか
BCG接種は今は定期接種ですが、その是非には専門家の中でもいろいろ意見が分かれています。
日本は現在、結核が中等度蔓延している、という位置づけですが、今や他の諸外国と比較して特段多いというわけでもないレベルになっています。
結核が多い地域では結核を予防することが第一なので、迷わずワクチンは接種されるべきです。ただし、あまり多くない地域では、ワクチンの効果が得られにくくなるばかりか、ワクチンを接種することで、結核の診断が難しくなるという問題もあります。副作用にスポットが当たりやすくなる側面もあります。
子供のおかれている環境において考えられるのが妥当であり、結核の蔓延がある地域、あるいは環境においてはBCGを打つべきであり、そうでない場合は、他のワクチンを優先的に打つべきであると考えます。
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