子供のアレルゲン免疫療法(舌下療法)について

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子供のアレルゲン免疫療法(舌下療法)

最近、アレルゲン免疫療法が注目されています。舌下療法の薬が小児にも適応拡大してきており、小さい子供でも簡単に治療ができるようになってきました。

今回は、この舌下療法について詳しく解説します。

免疫療法の歴史

実は、免疫療法自体は100年以上も昔から行われていました。

近年までは、内服薬も開発されていなかったため、アレルゲンの液を注射針で直接皮内に入れるという方法が取られていました。この方法でも、免疫療法としては確立されており、効果も十分にあったのですが、注射ということで痛みがあること、病院で行う必要があること、そして副作用もそこそこあったことが問題でした。

免疫療法の作用のメカニズム

そもそも、免疫療法としてアレルゲンを体内に入れることで、どういう効果が得られるのでしょうか?

日常生活で体内に入ってくる量を大きく超える量を摂取することで、「免疫寛容」という状態が起こることで、アレルギー症状を緩和する効果があると言われています。

アレルゲンが大量に体に入ると・・・

過剰な免疫反応をおさえる細胞(サプレッサーT細胞)が活性化

アレルギー反応をおさえる細胞(Th1細胞)を増加させる

アレルギー反応を促進する細胞(Th2細胞)の増加をおさえる

アレルギー物質であるIgEを中和するIgG抗体などの物質が増加する

こうして、アレルギー症状そのものが起こりにくくなります。

舌下療法の種類と適応年齢について

現在、日本で承認されている舌下療法のお薬は、ダニによる通年性アレルギーに対するお薬である「アシテア」「ミティキュア」、そして、スギ花粉症による季節性アレルギーに対するお薬である「シダキュア」「シダトレン」の4つです。

このうち、「アシテア」と「ミティキュア」、そして「シダキュア」は、錠剤であり、一応、年齢の下限はなく、舌下にお薬をしばらく保持することができる小児なら、何歳でも服用が可能とされています。ただし、お薬を1-2分保持できる子どもは、だいたい5歳くらいが目安です。「シダトレン」のみ液体製剤であり、適応が12歳以上となっています。

アレルゲン舌下療法の方法

アレルゲン免疫療法は、普段の生活で体内に入る量よりも多いアレルゲンの摂取を行う治療です。当然、副作用として一番心配されるのはアレルギー症状の出現です。

軽い場合は、口の中の違和感、ピリピリ感などで、これは100人いたら数人に起こる頻度の高い副作用です。場合によっては、舌下のお薬が付いていた部分が腫れたり、水疱になったりすることもあります。

もっとひどい場合には、アナフィラキシー症状を起こす危険性もあります。(1000人に1人以下の頻度)

こうした副作用を考慮して、初回の投与は病院で、医師の指導のもと行う必要があります

まず、お薬を舌の下に入れ、そのまま1分(あるいは薬によっては2分)保持します。錠剤ですが、唾液で次第に溶けてなくなります。

そして、規定時間が過ぎたら、そのまま唾液後ごと飲みこみ、終了です。

アレルギー症状は、服用後30分以内が一番多いので、その時間内は院内に留まり、体に変化がないかチェックが必要です。

その後の服用は自宅で

あとは、同様の内服方法を、自宅で1日1回継続していきます。薬によって少し違いますが、数日かけて通常量まで増量し、あとはずっと同じ量のお薬を服用します。

アレルギー症状を抑えるためには、最低でも半年程度、推奨されるのは3年から5年以上とされています。そして、その後は治療を一旦ストップしても、数年以上は効果が続くことが確認されています。

アレルゲン免疫療法がよく効くと思われる症例

アレルギー検査で、ハウスダスト/ダニ、あるいはスギの反応が飛びぬけて高い人ほど、治療効果が得られやすいです(強いアレルゲンが複数あれば、単独のアレルゲン免疫療法は効きにくいのは当たり前ですね)。さらに、喘息などのつらい症状がある方は、アレルギー反応としての鼻炎や結膜炎症状を和らげるだけでなく、喘息症状も緩和し、治療薬を減らせる可能性が高くなります。

季節的に春先や秋口にゼイゼイがひどくなりやすい人、それにハウスダストや花粉が関与していると考えられる人は良い適応になります。

さらに、アレルギーを持っている人は、近い将来に他のアレルギーも発症しやすいことが知られていますが、アレルゲン免疫療法をすることによって、他のアレルギーへの進展を防ぐ効果があることは分かっています。

例えば、ハウスダスト/ダニのアレルギーがあると、スギやヒノキ花粉症にもなりやすいですが、ダニアレルゲンの治療をするとスギ花粉に感作されるリスクが低くなるのです。そのため、単独のアレルギーのうちに、しっかり治療することが重要になります。そして、子供はまだたくさんのアレルゲンに感作されていないので、とても良い治療適応になると考えられています。

これらのお薬は、医師の中でも特別な講習を受けないと処方できないお薬ですので、近隣の医療機関にかかられる際には、そのお薬が処方できるかどうか、必ずご確認ください。

それぞれのアレルゲンの免疫療法についてはこちら

スギ花粉症のアレルゲン免疫療法について

ダニアレルギーの治療法

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