尾骨骨折について
実は筆者は以前、ある事情で思いっきり尻もちをついて、以降、痛みがひどく、診察の結果尾てい骨骨折の診断となりました。そのときの体験をまとめようと思います。
骨盤の骨の構造
人間の骨盤の骨は以下のような構造になっています。背骨から続く真ん中のお面のような骨が仙骨、そしてその下部に尾骨があります。両側にゾウの耳のように広がるのが寛骨、ゾウの耳部分は腸骨といいます。ちなみに、尾骨の下の、穴が開いている部分が座骨と恥骨です。
尾てい骨の骨折とは?
思いっきりお尻の下の部分を打ったり、尻もちをついたりすると、しっぽの名残の骨である尾骨(尾てい骨)が割れてしまったり、ずれて内側に曲がりこんでしまったりすることがあります。これが尾てい骨(尾骨)骨折の状態です。
また、出産時には、子供の頭に思いっきり押されるため、外側に向かって曲がってしまうこともあります。
列がずれてしまうこともありますが、内側に曲がりこんでしまった場合は、場合によっては、排便がしにくくなってしまうことがあり、そのときには手術で固定しなおすことになります。
稀ですが、尾骨の骨折だけでなく、骨盤の骨(仙骨)も割れてしまうことがあり、その場合は骨盤がグラグラ動揺してしまったり、とても激しい痛みになります。ひどい場合には骨盤内の出血を起こすこともあります。
また、仙骨の表面には神経がたくさんあるため、痛みが引きにくいのも特徴です。
検査と診断方法は?
検査はレントゲンと、確定診断するならばCTが必要な場合が多いです。また、これらの検査で分からないような微細なヒビや損傷もありえます。
一般的な治療法は?
尾骨はもともと不要な骨であり、支えている部分もないため、たとえ折れていたとしても、痛み以外には問題ありません。骨が癒合(くっつく)までには数週間はかかりますので、できるだけの安静と、鎮痛が治療の主なものとなります。
筆者の場合
受傷直後~数日
受傷後、直後は痛みでほとんど動けませんでした。歩くのも激痛でした。
痛み止めを飲みつつ、翌日には少し動けるようになりました。痛みは治まるかと思いきや、その後一週間程度は同程度の痛みが続き、くしゃみや咳では激痛が走り、笑うこともできませんでした。うつ伏せも、仰向けも、横向けもしんどく、寝がえりもかなり悶えながらしていました。
当然、座るのも痛くて、深く腰掛けられない状態。車や電車では常に前のめりでした。立っている方が楽、という感じで、円座で座るのもしんどかったです。トイレでもあまりいきめませんでした。
受傷後1週間~2週間
一週間目まではまだ早歩きはできず、歩く速度も通常の半分以下。少し動けば痛みが強くなるため、無理はできない状態でした。
二週間ほどでだいたい痛みはピークの半分程度になりました。かなり違和感なく歩けるようになりましたが、まだ加重がかかったり、なんらかの拍子に激痛が走ることが多く、走ることはできません。ジャンプなどももちろん無理でした。痛みのある部分に湿布を貼りながら仕事をしていました。また、他人には「痛そうですね」とすぐ歩き方でばれてしまいました。
2週間~3週間
咳をするのも普通程度にできるようになり、歩行はほとんど問題なくなりました。ただし、お尻の尾てい骨の部分を叩かれたり、何かで触れたりすると飛び上がるくらいの痛みがありました。トイレも問題なくできるようになり、子供の抱っこもできるようになりました。
4週間以降
日常生活ではほとんど困らなくなりました。時折、受傷部位にピンポイントで何かあたると、飛び上がるくらいです。咳も思い切りしても、痛みははじめの1/10以下で自制内です。
天気の悪いときは痛みが強い傾向もありましたが、それも徐々になくなり、2か月を過ぎるころにはすっかりよくなりました。
うっかり尻もちをついてしまって苦しんでいる方、日を追うごとに症状は必ずよくなりますので、できるだけ安静を保つようにして、養生してくださいね♪