溶連菌性咽頭炎の合併症

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溶連菌性咽頭炎の合併症

溶連菌による咽頭炎は、自然治癒することもできる予後のいい病気です。ところが、溶連菌は、感染したそのとき以外に、少し時間が経ってから合併症を引き起こす場合があります。今回は、溶連菌感染症の合併症についてのお話しです。

症例提示

7歳男児。

3週間前に発熱あり、溶連菌性咽頭炎と診断されたが、内服加療にて軽快。
朝起きてくると顔がむくんでいることに母親が気づいた。よく見ると、足もむくんでいる。
よく聞くと、前日からおしっこが赤っぽいとのことであった。

これが、典型的な「溶連菌感染後腎炎」の発症像です。

溶連菌感染後、自分の腎臓を壊す抗体ができてしまい、その抗体が腎臓を攻撃して炎症を起こしてしまいます。

その結果、おしっこの量が減り、血尿やたんぱく尿が出ます。おむつの取れた子ではしっかりおしっこの色を見たりしないため、むくみだしてからはじめて外から分かる状態になることも多いです。おしっこの色は真っ赤というよりは「コーラ色」と称されます。

おしっこがでなくて血液量が多くなるため、血圧が上昇し、頭痛などを来す場合もあり、ひどい場合は高血圧による脳症になることもあります。

予後は比較的良好で、ほとんどは安静と水分制限や塩分制限、降圧剤(血圧を下げるお薬)や利尿剤(おしっこを出すお薬)などの治療にて改善します。血尿やたんぱく尿は数か月で消失します。

10歳女児

10日前に発熱あり、溶連菌の診断で抗生剤治療が終了した。内服終了後、再発熱あり、手足の関節痛が出現した。痛む関節はいろいろで、移動する。

その後、手足が勝手に動く、息苦しいなどの症状が出現。心不全の兆候あり、心臓のエコー検査で弁逆流を認めた。

近年は先進国ではあまり見られなくなった病態ですが、リウマチ熱の典型的な症状です。

リウマチ熱も、溶連菌に対する抗体が、間違って自身の心臓や関節などを攻撃してしまうことが原因で発症します。抗体が攻撃する溶連菌の一部の形と、腎臓や心臓の弁、または関節に存在する一部の形がよく似ていることが元凶です。

どちらも免疫の病気なので、しっかり初期の除菌治療を行っていても、腎炎やリウマチ熱を発症する可能性があります。ただ、発症する率は国によってバラツキがあり、さらに発展途上国で発症率が高くなる傾向にあるため、保菌状態が続いたり、無治療での状態が長くなると発症しやすいとの視方もあります。また、同じA群溶連菌でも、国によって流行している溶連菌の種類もちがうため、腎炎やリウマチ熱を発症しやすい型があるのでは、という説もあります。

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