アレルギーをもつ子供の災害時対応について
災害時、アレルギー疾患をもつ子供さんの対応は、いつにも増して大変になります。アレルギー疾患は、ストレスや環境の変化が原因で悪化することが多いです。
今回は喘息、アトピー、食物アレルギーの子どものための防災グッズや注意すべき点を挙げてみました。
喘息
喘息の発作が悪化する要因がいっぱい!
災害時には、周囲一帯に埃がたちやすくなり、ハウスダストなどに反応しやすい喘息の子供さんたちは、一気に発作のリスクが高まります。また、災害そのもののストレスも発作に影響します。さらに、避難所生活においては、空調設備もないと思われるため、深夜からの冷え込みがダイレクトに気管支を刺激して、さらに発作がでやすくなります。
避難グッズには次のものを追加して
喘息の長期管理を必要としているお子さんは、避難所生活において、必ず喘息病態が悪化します。そのため、あらかじめ避難グッズに常備薬を入れておくことをおすすめします。
吸入ができない状態であっても、抗ロイコトリエン薬を内服しているだけでも、ある程度発作は抑えられます。少なくとも一週間分は備蓄しておくようにしましょう。
電動の吸入器は毎日使うものなので予備をいれておくことは難しいと思いますが、エアロゾル式の吸入器(メプチン)の処方を受けている方は、予備を防災グッズの中にいれておくといいです。直接吸うのが難しい場合は、一時的であれば、紙コップをマスクに見立て、底に穴をあけて薬を吸入することができます。普段は電動式の吸入器を使っている場合でも、以下のようなマスク付きのものを常備しておかれてもいいかもしれません。
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当たり前ですが、現在どのような投薬をされているのか、把握している必要があります。お薬手帳までは入れにくいと思うので、処方薬を携帯のカメラで撮影しておくといいです。
マスク
砂塵やウイルスから体を守るために、マスクは必須です。特に喘息のお子さんの場合、避難所での埃だけでなく、蚊取り線香や、炊き出しや暖をとるためのたき火も発作の原因となります。なるべく離れた場所に離れることも大切ですが、基本はしっかりマスクを付けるようにしましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピーも喘息同様、ストレスにより悪化する可能性が高いです。さらに避難所では、大抵の場合空調も効いておらずお風呂にも制限があり、体をいつものように清潔に保つことが難しいため、あるものでできるだけのケアをすることが重要です。
きれいなタオルで拭いてあげるだけでも十分
お風呂に入れない場合は、お湯で濡らしたタオルを固くしぼり、やさしく全身を拭いてあげましょう。汚れの多い部分は少し強めに拭いてもいいですが、原則はゴシゴシしないようにしてください。石鹸は数日使わなくても大丈夫です。
市販のウェットティッシュはアルコールなどが含まれており、皮膚状態を悪化させる可能性が高いですので、できるだけお湯だけにしましょう。
外用剤は強めのものを使用してください
いつもは最低限の外用薬でコントロールしているはずですが、上記の理由でアトピーは悪化しやすいです。なので、防災グッズとしてくわえるのは、普段はあまり使っていない、強めのものを用意しておきましょう。
ストレスで寝つきが悪くなったり、掻き壊すようであれば、なるべく気を逸らせてあげたり、局所を冷やすようにするとかゆみがましになります。
食物アレルギー
食事の際に混乱が起こりやすいため、食物アレルギーのある子供は、災害時には大きなリスクにさらされることになります。
見た目でアレルギーが分かるように
避難所では、周りの人からお菓子などをもらったり、炊き出しの際に他の食物の混入があったりと、危険がいっぱいです。まずは、人からもらったものを確認しないで食べないようにしっかり言い聞かせる必要があります。
また、100均の名札などを利用して、アレルギー表示をしたものを分かりやすく見えるところにつけておくと安心です。
当たり前ですが、支給品のアレルギー表示の確認も必須です。
非常食は必ず常備を!
重度あるいは複数品目の食物アレルギーの子どものためには、最低2-3日分のアレルギー対応食品を常備しておく必要があります。その際、ランチボックスタイプよりは、レトルトパウチ型のほうが、口をしばって少しであれば保存がしやすいです。ごはんにかけて食べられるようなものを準備しておくと、数食分になるので、便利です。
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