子供の肥満について

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子供の肥満について

近年、子供の肥満症の患者さんが増えています。

肥満は、若年齢での糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病を引き起こし、将来の心血管障害(心筋梗塞など)や脳卒中のリスクを引き上げることが分かっています。

子供の肥満の診断方法やその対応、治療などについて書きます。

肥満の診断

子どもの肥満は主に肥満度というものを使って評価します。肥満度は標準体重に対して実測体重が何%上回っているかを示すもので下記の式で計算されます。

・肥満度(幼児以降)=(実測体重-標準体重)kg / 標準体重×100(%)

幼児:15%以上は太りぎみ、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎ
学童:肥満度20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満とされる

そのほか身長と体重を用いて、年齢に応じた数値を計算します。

・乳幼児(未就学児);カウプ指数=体重(kg)÷身長(cm)の二乗×10の五乗

12.9以下はやせ、13.0から14.9はやせ気味、15.0から17.9は正常、18.0から19.9は肥満気味、20.0以上は肥満。

・7歳から15歳まで;ローレル指数=体重(kg)÷身長(cm)の三乗×10の七乗

99以下はやせ、100から114はやせ気味、115から144は正常、145から159は肥満気味、160以上は肥満

・高校生以上;BMI=体重(kg)÷身長(m)の二乗

BMI18.5から24.9が標準、BMI25.0以上が肥満

メタボリックシンドロームの診断

メタボリックシンドロームとは、肥満によって起こる複数の病気が存在している状態をいいます。具体的には内臓脂肪の蓄積により、肝臓に脂肪がたまった「脂肪肝」になっていたり、高血圧、糖尿病、高脂血症などが重なった状態です。

メタボリックシンドロームの診断
・腹囲80cm以上(小学生では75cm以上)
・中性脂肪120mg/dl あるいは HDL(善玉コレステロール)40mg/dl以下
・血圧 収縮期120mmHg以上 あるいは 拡張期70mmHg以上
・空腹時血糖 100mg/dl以上

肥満の状態を放置しておくと、こうした生活習慣病が進行し、若いうちから動脈硬化が起こっていくことが分かっています。また、膝や腰などにも負担がかかり、痛みがでてくる場合もあります。そして、糖尿病や脂肪肝は自覚症状がないため、気づいたときにはかなり進行しているということもありえます。

肥満の原因

肥満は、単純性肥満と症候性肥満とに分けられます。ほとんどが単純性肥満ですが、あるときを境に急激に肥満傾向となった、適度な運動や食事に気を使っていてもどんどん体重が増えていく、などの場合は、ホルモン異常や生まれつきの先天異常が原因となっている可能性もあるため、早めに病院に相談することをおすすめします。

また、単純性肥満の発生には、太りやすい遺伝的な素因も関係すると言われ、母親が肥満だと約60%、父親が肥満だと約40%、両親が肥満だと約80%の確率で、子どもが肥満になることが分かっています。

子供の肥満の治療は?

肥満と診断した場合には、こうした合併症が起こっていないかの検査と、栄養指導生活指導を行い、本人の自己管理を促すとともに家族の協力も必須になります。

病院で太らないお薬を出すことはできませんので、まずは生活習慣を改善し、食生活の見直しが必要なら、栄養士からの指導が入ります。

栄養指導

一番難しいのが、育ち盛りの子供さんで、栄養制限はしたくないけど、明らかに摂取カロリーが多い場合です。カロリーを減らせというのは簡単ですが、何をどこまで減らしていいのか、成長に必要なカロリーを摂取しながらもギリギリのところを狙うのは非常に難しいです。

また、早食いも肥満の大敵です。まずは野菜から、しっかり噛んで食べることで、満腹中枢も働くようになります。

炭水化物のバランスも大切です。また、おやつなどの間食は、糖分の多いものは控える必要があります。

運動療法

肥満のある子は、どうしても運動が億劫になってしまっていたり、外で活動することを嫌う子どもが多いため、なるべく親が主導で一緒に運動してもらうことをおすすめしています。

はじめからきつい運動はできないので、まずは散歩程度から、段階的に増やしていく必要があります。家で座っている時間をなるべく短くして、こまめにお手伝いなどで体を動かすように仕向けてください。

最終的には、酸素を体内に取り入れながら行なう中程度の全身運動がよいとされており、早歩きやジョギング、サイクリング、水泳などを30~60分程度、毎日行なうのが理想的です。

生活習慣全般の改善

きちんとした睡眠がとれていなかったり、生活のリズムが乱れていると、肥満につながります。家族の協力のもと、早寝早起き、三度の食事をしっかりとる、などの基本的な生活リズムを取り戻す必要があります。

薬物療法

残念ながら太らないお薬はありません。生活習慣で治らない高血圧や糖尿病、高脂血症などの合併症がある場合は、対症療法としての薬物療法を行います。「太らない漢方薬」として話題になった防風通聖散ですが、肥満を改善するほどの効果は得られません。

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肥満症のお子さんは、元来元気であるため、わざわざ病院にかかってまで検査をしたり指導を受けたりするモチベーションがなかなか保てません。しかし、肥満があることによって、将来のお子さんの健康を確実に損ねているため、たかが肥満、太っていてもそのうち痩せる、健康的でいいじゃない、と思わずに、小児科にご相談くださいね。

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