子供が頭をぶつけたときの対応
子供は頭が重いので誤って転倒して、頭部のけがが起こりやすいです。少しぶつけた程度なら少し泣く程度でまたすぐ遊びだすことも多いですが、その後泣き止まなかったり、頭が痛い、と言われたり、嘔吐したりすると、頭の中に出血したりしていないだろうか、と心配になります。
子供が頭をぶつけたときの応急処置は「冷却」!
まずはとにかく冷やすこと。たんこぶができるのを最小限にすることができます。たんこぶは、皮下の出血とそれに伴う組織の炎症・浮腫ですので、最初にしっかり冷却してあげると、痛みも和らぎますし腫れも引きやすいです。
皮膚の表面に外傷がある場合は冷やしながら、しっかり圧迫しましょう。大抵の出血は10分しっかり押さえればとまります。
小さいアイスノンや氷があれば、タオルで巻いて打った場所にあててあげましょう。
頭をぶつけたときに、病院にいくべき症状
応急処置をしながら、次のような症状がないか、確認しましょう。
①意識がはっきりしない
受傷してからすぐ泣いている場合はいいですが、衝撃が強く脳震盪などを起こすと、泣かずにそのまま意識が遠のいてしまう場合があります。泣いていてもすぐ泣き止んで、寝入ってしまって長時間起きないという場合も注意が必要です。
②嘔吐が続く
頭部外傷の衝撃による軽い脳震盪で、受傷後嘔吐することがよくあります。なので、1-2回くらいの嘔吐は問題ないことが多いです。ただ、受傷してから時間が数時間経ってもおさまらない場合や、繰り返し嘔吐する場合は、注意が必要です。
頭蓋骨の中に出血を起こし、頭蓋骨の中の圧力が上がってしまうと、嘔吐が出ますが、この場合は受傷後すぐというより、少し時間が経ってから起こってくる場合が多いです。また、多くの場合、意識障害を伴います。
③高エネルギー外傷
自分の身長を超える高さからの転落や、交通事故など、高いエネルギーが関与したと思われる外傷を「高エネルギー外傷」といいます。また、頭をぶつけた状況によっても、打った場所がコンクリートだった場合と木だった場合とでも、頭にかかったエネルギーの大きさはかなり異なります。
高エネルギー外傷の場合は、本人がけろっとしていても、思わぬ症状があとから出てくる場合があるので、注意が必要です。
④出血や傷がある
皮膚が裂けていたり、切れている場合には、処置が必要になります。また、傷口に砂などの汚れがある場合には、他の傷同様しっかり洗浄する必要が出てきます。
⑤なにか、いつもと違う
ある程度の年齢になると「頭が痛い」などと言うことができますが、赤ちゃんは頭痛を表現できないので「不機嫌」というのが唯一の症状であることも多いです。目つきだったり泣き方だったり、「何かいつもと違う」というお母さんの直観は大切です。
上記の①~⑤のどれかに当てはまる場合は、念のため病院を受診することをお勧めいたします。
病院を受診する際には、万一の場合、CT検査などができる大きめの病院を選ぶこと、そしてできれば、小児科と脳外科がある病院をえらぶ方がいいです。
病院に行ったときにする検査については別記事を参照ください。
子供の頭部CT検査について