【小児科医監修】熱性けいれん予防薬について

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【小児科医監修】熱性けいれんの適切な対応

熱性けいれんとは

熱性けいれんは、38℃以上の発熱に伴って起きるけいれんのことで、髄膜炎や脳炎などの中枢神経感染症や、その他のけいれんの原因となりえる疾患が除外されてはじめて診断されます。

日本人は熱性けいれんの有病率が高い国で、10-20人に1人の割合で熱性けいれんを起こすと言われています。生後6か月から6歳までの小児によく起こります。

インフルエンザやそのほかの発熱性疾患において、急激に体温が上昇するときに起こりやすいことが知られています。これは、感染に対して体が免疫反応を活性化しようと働き、「サイトカイン」という物質がたくさん分泌されることにより、子供の発達途上の脳が反応してしまうからだと言われています。人種による差など、詳しいことはまだはっきりとはわかっていません。

熱性けいれんが起こったときの治療

けいれんした子供が病院に運ばれてくると、まずけいれんが続いているかどうか、判断します。けいれんが終息している場合は、ひとまず投薬は行わないことが多いですが、ときに、「けいれん予防」という意味合いで、「ジアゼパム坐薬(ダイアップ)」が投与されるときがあります。

熱性けいれんの子供さんは、30%の確率で24時間以内にけいれんを繰り返すと言われています。ジアゼパム坐薬は子どもで最もよく使われる抗けいれん薬のひとつですが、けいれんを繰り返さないために、あらかじめ投与しておこうというのが狙いです。

ところが、このダイアップの使用は、実は安易にされるべきものではありません。

先にも述べたように、熱性けいれんは、その他の重症感染症などがすべて除外されたのちにつく病名ですが、初期の段階でジアゼパム坐薬を投与してしまうと、そのまま眠ってしまったりふらつきがでてしまったり、意識や身体所見の評価が難しくなるからです。

なので、使うとしても、「しっかり意識が戻ったのを確認してから」が妥当です。

痙攣で救急搬送時での救急室の対応

子供がけいれんしたときの対処法

自宅でけいれん予防のお薬を使うべきか

何度もけいれんを繰り返したことがある場合は、主治医から、発熱に気づいた時点でジアゼパム坐薬を使うように指示される場合があります。

坐薬の使い方は、37.5℃以上の発熱に気づいた時点で、(けいれんがなくても)ジアゼパム坐薬を入れ、その効果がきれてくる8時間後を目安にもう一度入れる、というものです。

熱性けいれんは、大抵ぐんっとお熱が上がってくるときに起こるので、この方法では間に合わないこともありますが、この方法で予防できるけいれんもあります。

自宅で何度もけいれんを繰り返したことがある、という場合には、意識が戻っているのをしっかり確認したうえで、坐薬を使ってけいれんを予防するのも一つの方法です。ただし、けいれん後はどの子どもでも多少ぼうっとしたり、眠たくなってしまったりする場合もあり、子供のけいれんをあまり経験したことがなく、判断がつきにくいと感じる間は、病院を受診して、判断を仰ぐのが一番安全だと思います。

いつまで予防投与するのか

外来でもときどき、「もう3年もずっとけいれんしていませんが、ダイアップ座薬だけはずっと入れています」という人がいてびっくりします。熱性けいれんは年齢が上がるとほとんど起こさなくなりますし、仮に後発年齢を過ぎてからも起こしてしまった場合は、てんかんの可能性も含めてきちんとした精査が必要です。大抵は2年、発作がなければ一旦やめてみる、あるいは小学校にあがるタイミングでやめてみることをすすめています。

けいれん予防の内服薬

坐薬でけいれん予防が困難な場合は、内服薬で、抗てんかん薬が持続投与される場合があります。しかし、この方法で実際に熱性けいれんを抑えられるかには、科学的な根拠はありません。欧米のガイドラインにも、内服薬を推奨しているものはありません。

抗けいれん薬には重篤な副作用もありますし、定期通院が必要で、場合によっては定期的な血液検査も必要です。そういう意味でも、投与することによるデメリットの方が多いと思われます。

ジアゼパム坐薬なども、安易に処方される場合もありますが、しっかり目的を持って、どういうときに投与するべきか、いつまで投与するべきかなど、その都度主治医に確認をとりましょう。

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