【時期別】幼児の便秘の対応
子供の排便の悩みがある人は多いです。乳児期から、あるいは離乳食期から、離乳食完了してから、など、時期別に対応をまとめました。
乳児期早期(月齢0~4か月)の便秘
離乳食が始まるまでの乳児期に、毎日排便がないという訴えで、外来を受診される場合があります。母乳の子供は排便回数が多い傾向にありますが、それでも1-2日に1回、という場合もあります。ミルクっ子のほうが、排便間隔が長い傾向にあります。
母乳の子もミルクの子も同様ですが、その子のタイミングで自力で排便できていて、哺乳の問題がなければ、そのまま様子を見て大丈夫です。具体的には、いつも通り哺乳ができていて、おなかもさほど張らず、嘔吐が頻回になっていなければ大丈夫です。赤ちゃんはよく、気張っているように顔を真っ赤にしてうなることがありますが、基本的には様子を見ていいです。
中には一週間排便がない、と病院を受診される場合もありますが、問題ないことが多いです。ただ、直腸に便がとどまると、時間が経てば経つほど、固くなってしまいます。赤ちゃんにとっては、絵の具ほどの固さの便も出しにくいことがありますので、気張ってもでない場合には綿棒浣腸をしてサポートしてあげましょう。
綿棒浣腸のやり方
綿棒浣腸は、綿棒をお尻に入れて刺激してあげることが目的です。
綿棒の先を水やオリーブオイルなどで濡らし、太くなっている部分を全部お尻の穴に入れ、出し入れしたり、肛門を広げるように円形にぐるぐる回して刺激します。綿棒の先に便が付けば、便がそこまであるサインです。
赤ちゃんは腹筋も強くないし、効果的に気張ることもまだできない場合が多いので、気張りやすくする意味でも綿棒浣腸はよい刺激になります。
また、クセになることはないので、毎日してあげても大丈夫です。
離乳食期(5か月~1歳程度)の便秘
離乳食が始まると、それまで液体だけで生きていた赤ちゃんの腸にも変化が現れます。
多くは最初、消化がうまくできずに、下痢気味になることが多いです。ただし、水分が相対的に減るので、食べる量が増えてきて、母乳やミルクの量が減ると、便秘がちになる子供が多いです。
腸内細菌がある程度定着するまでは、排便リズムの確立は難しいです。便が固くなってしまって、お尻が切れたりとトラブルになりやすいものこの時期です。多くは、食べる量が増えると、便も量も増えるため、自然に解決しますが、一旦お尻が切れてしまうとなかなか治らないため、排便のたびに切れてしまったり、血がでたり、困ることもあります。
このような場合、大事なのは便を溜めないようにすることです。
この時期に一週間以上排便がないと、溜まってしまい腸が伸びきってしまい、排便習慣の確立が難しくなりますので、適切な対応が必要になります。
家庭でできる対策は、子供の便秘症でも書きましたが、
・食物繊維を摂ること
・乳製品を摂ること
・オリゴ糖やキシリトールなどを摂ること
です。私のところでは以下を使っていました。
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自然な甘みなので、プレーンヨーグルトにいれると一石二鳥です。規定量で効かない場合は、多目にしても大丈夫です。オリゴ糖は水に溶けにくいため、ザクザクした食感をむしろ楽しめるようにするといいと思います。あらかじめシロップ状になっていると使いやすいかもしれません。
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あと、オリゴ糖とビフィズス菌の合剤タブレットもあります。
くるポンタブレット
1歳以降の便秘
おむつ期
1歳以降になると、排便で切れたりすることがトラウマになり、排便を怖がるようになってしまうことがあります。
通常は、朝食を食べると、直腸肛門反射が起きて、最も排便しやすい時間帯が訪れます。人間の腸の形は、座ってやや前傾になると排便しやすいような角度になります。このときに、タイミングよくトイレに連れていければいいですが、大抵はオムツ内で排便したがります。その場合は、なるべく和式トイレにしゃがんだような状態で排便させてあげる習慣を付けるといいでしょう。
トイレ期
おむつが取れ、トイレで気張るようになると、排便もしやすくなりますが、最初のうちは足をふんばらないと気張りにくいです。おまるでもいいですが、トイレの踏み台をつけてやると、排便もしやすいですし、もう少し大きくなって自分でトイレに行くときも便利です。
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もちろん、オリゴ糖やキシリトール、マルツエキスなども、乳児同様有効です。
おしりが慢性的に切れていたり、毎回痛がる場合は、まず傷を治す必要があります。ステロイドの坐薬やうんちを柔らかくするお薬がありますので、医師に相談してください。また、直腸に溜めすぎると便が溜まっても直腸反射が出ず反応できないといった悪循環になりますので、こじれる前にご相談ください。
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