子供の胃腸炎

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子供の胃腸炎について

春から夏にかけては、感染性胃腸炎が流行します。春の早い時期であればロタウイルスが多いですし、夏から秋にかけてノロウイルスも増えます。胃腸炎の診断になると必ず聞かれるのが、「ノロですか?ロタですか?感染しますか?」という質問です。では、胃腸炎の原因と、その対処法について書いていきます。

感染性胃腸炎の原因

子供が嘔吐したり下痢したりする場合、急性発症した場合は、7割以上がウイルス性の胃腸炎で、細菌性胃腸炎は比較的珍しいです。

ウイルス性胃腸炎の原因ウイルスは、ノロウイルス、ロタウイルスなど超有名なものの他に、アデノウイルス、エンテロウイルスなど、本当にさまざまなウイルスがあります。

子供の胃腸炎で一番多いと言われているのがロタウイルスです。ノロウイルスは10%程度と言われています。

細菌性胃腸炎の原因は、大腸菌やサルモネラ菌、あとは海外渡航者によく見られる赤痢などです。これはまた話が異なるので、ここでは、ウイルス性胃腸炎についてに絞って話をすすめます。

ウイルス性胃腸炎

ノロウイルスについて
ノロウイルスは、食中毒や胃腸炎の原因として知られ、通常吐物や下痢に多量に含まれるウイルスが10個程度体内に入っただけで感染してしまいます。また、吐物などが空中に舞ってエアロゾルという状態になり、一気に多発的に感染拡大することも知られており、かなり感染力の強いウイルスです。
飲食店に勤めておられたりすると、ノロウイルスだと出勤停止になりますし、診断はかなり重要になりますが、ノロウイルスかどうかは、症状だけではわからず本当は便に含まれるノロウイルスの遺伝子検査をしてみないと分かりません。これは保険がきかず、費用も高額(1万円くらい)なのと、結果が出るまでに数日がかかってしまう場合がほとんどで、あまり現実的ではありません。
そのかわり、簡易的な迅速検査をしてもらうことができますが、保険適応は3歳未満、あるいは65歳以上で、それから外れると自費診療になります。
また、検体はしっかりとした量が必要で、場合によってはお尻に綿棒を突っ込んで検体を取ります。しかし、検査感度があまりよろしくなく、8割程度と言われているため、ノロウイルス胃腸炎だったとしても、10人中2人は陰性になるため、陰性だったとしても、完全に否定できません。
ノロウイルスは症状のでない「不顕性感染」という状態でも、多量のウイルスを排出することが分かっています。よく子どもが感染していると、大人の出勤もダメ、と言われる会社もあるようですが、この不顕性感染からの感染、あるいは潜伏期の可能性を考慮してのことです。
ロタウイルスについて

ロタウイルスは春に流行する嘔吐下痢症で、典型的には「米のとぎ汁」と形容される、白っぽい泥状の便がでることが特徴です。必ずしも全員に見られるわけではありませんが、これはロタウイルス感染により、便に色を付ける胆汁排泄が阻害されるためだと言われています。重症化しやすいことも知られており、一日10回以上の大量下痢を来して、脱水症状で入院することがあります。また、ときに脳症を起こしたりと、厄介なウイルスです。

このロタウイルス感染症は乳児期のワクチンの効果が高く、かなり軽症化あるいは予防できることがわかっています。実際、ロタワクチンが導入されてから、春先のロタ腸炎入院が激減しました。ロタウイルスワクチンは現時点では公費補助がなく、全員が打っているわけではありませんが、おそらくは接種者が増えたことにより、集団としてのロタウイルスへの免疫力がアップしたのだと思います。

アデノウイルス

プール熱や流行性角結膜炎の原因にもなるアデノウイルスですが、実は胃腸症状も強くでることがあります。プール熱のひとつの症状として嘔吐下痢がでることもありますし、アデノウイルスでの胃腸炎もあります。

すべてのウイルス性胃腸炎は感染力が高い!
ただし、ノロウイルスだけでなく、ロタウイルスやアデノウイルスも感染力は強いですし、他の胃腸炎をきたすウイルスも拡大感染の恐れが十分にあり、本来はノロウイルスの診断にこだわる意味はあまりありません。
感染拡大防止のためには、次亜塩素酸を用いた消毒や、吐物などが飛び散らないようにする工夫、汚染したシーツなどの破棄を徹底する必要があります。
汚物の処理方法などはこちら;子供の嘔吐下痢!消毒方法について。
胃腸炎のときの対応はこちら;経口補水液の飲ませ方

細菌性腸炎

細菌性腸炎にも様々な原因の細菌がいます。ここでは代表的なものに少しだけ触れておきます。

大腸菌

一番よく見られるものの一つが大腸菌による感染です。大腸菌はヒトや動物の腸管に生息しています。口から摂取されて早ければ数時間で発症します。通常75℃1分の加熱で死滅しますが、加熱が不十分であると経口的に摂取され発症します。特に問題となるのが、腸管出血性大腸菌による感染です。(別項;怖い子供の大腸菌感染症

カンピロバクター

鳥に付着していて、鳥生食で発症しやすいものです。血便を来しやすいものとして知られています。潜伏期間は1-7日と言われています。

サルモネラ

数時間~3日程度の潜伏期をおいて発症します。鶏卵や鳥や豚そのほかの生肉に付着している細菌です。75℃1分の加熱で死滅します。

基本的にはこうした細菌の腸炎であっても、菌が全身にまわるような重症でない限りは抗生剤の投与は無効と言われています。一旦除菌しても、10日後には8割の人で再び菌を排出することが分かっています。

嘔吐、下痢がある場合、ほとんどはウイルス性胃腸炎で感染性があり、特に発症初期は感染力が強いです。また、細菌性腸炎も、除菌がされていない場合は糞便に原因の細菌が多量に含まれているため、しっかりした感染対策が必要です。どんな場合であれ、感染拡大しないように手洗いうがい、除菌、殺菌などを十分注意してください。
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