育てにくい子どもの対応について

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「育てにくさ」について

広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害といった診断が独り歩きし、発達相談窓口や発達外来はいつも予約でいっぱいです。自分の子どもを育てていて、「何か他の子と違う気がする」「育てていて手ごたえがない」「何かがうまくいかない」と悩むお母さんは多いです。

集団生活や普段の生活において、周りから「少し心配な点がある」「ちょっと遅れてるんじゃないの?」といった雑音に惑わされる一方で、「周りと比べてはいけない」「その子なりの発達を見守るしかない」「子どもってこんなもの」というように、諦めたり、抱え込んでしまったりして、相談することができない場合も見受けられます。

発達障害は、診察や日常生活の様子から容易に分かるものから、専門医でも判断に迷うものまで様々です。それぞれの「育てにくさ」がどこから来るものなのか、しっかり見極める必要があります。

広汎性発達障害(PDD)

PDDは、社会性と人とのコミュニケーション、さらには想像力の障害があります。具体的には、「人と目を合わさない」「人見知りしない」(=人に興味がない)、「初めての場所を極端に怖がる」「思い通りにならないときのパニック」(=こだわり)、オウム返しやクレーン現象(相手の手をもって自分の欲求を満たす)、「空気が読めない」(=想像力の欠如)などがあります。典型例は3歳までには診断が付くことが多いです。

対応のしかた
・生活のリズムを一定にして、変則的なことはしない
・次に起こることを予告し、心の準備を早めにさせる
・パニックに対しては、声をかけず別の場所でクールダウンさせる
・本人が言葉にできないことを、大人が代わりに表現してあげる

など

注意欠陥多動性障害(ADHD)

こちらも診断名は有名ですが、多くの子どもが就学前までは多かれ少なかれ注意欠陥で、多動もあるために、診断が難しいです。

一般的には、友達との喧嘩が絶えない、暴力を振るう、物を壊す、ケガしやすいなどで気づかれます。また、就学後は授業中に座っていられない、反抗的な態度をとる、暴力を振るう、場合によっては万引きなどの非行に発展する場合もあります。

対応のしかた

まずは、けがをしないように注意し、なるべく安全な環境を整えましょう。おおくのADHDの子は、先生や親から叱られっぱなしで、自己評価が低いため、マイナス面がさらに助長されてしまいます。正しい行動をとった際には思いっきり褒めてあげる、という認知行動療法が不可欠です。

診断名は重要ではない!

こうした病気もありますが、診断し、治療をするだけでは根本的な解決にはなりません。診断名をはっきりさせることよりも、子育てのなかでなににつまづいているのか、育てにくさの本質はなにか、保護者とともに医療者も考え、対策をとっていく必要があります。

また、病気の疑いがあっても、診断がつくまでには時間がかかることが多いです。診断を待ってから治療に取り掛かるのではなく、まずは自宅で家庭で日常生活でできることを実践し、子供の自己肯定感、そして親の自己肯定感を育て、その子ひとりひとりにあった対応を考えていくのが一番いいと考えます。

地域の発達支援センターをうまく利用して

市町村には、発達支援センターや児童相談所などの機関が充実していて、医療機関よりもむしろ子育て相談というかたちで、子供との関わり方を考えていくほうがうまくいきます。もちろん必要時には医療機関につないでもらえますし、療育機関を紹介してもらえる場合もあります。発達支援というと敷居が高くなりますが、「子育ての専門家に無料で相談できる」と考えれば、利用しない手はないと思います。相談したら、案外簡単な対策が見つかったりしますし、「みんな悩みは一緒なんだ」と逆に安心できるかもしれません。

一人で抱え込まずに、まずは適切な場所で相談することをおすすめいたします。

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