プール熱について

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プール熱ってなんですか?

プール開きがあってから、熱が出ると「プール熱ですか?」という質問がよく外来で飛びます。プール熱はプールに入っていても入っていなくてもかかる可能性があります。

今回はこのプール熱の原因となる「アデノウイルス」について書いてみようと思います。

プール熱の原因はアデノウイルス

プール熱は、アデノウイルスが原因で、喉や目の赤み、目やになどの粘膜症状が強いのが特徴的で、咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)とも呼ばれます。
症状は結構強くて高熱が出ることも多く、何より特徴的なのが、朝起きて目が開かないくらいの目やにが出て目の白目の部分が真っ赤に充血します。感染力は非常に強くて、基本的にはヨダレ等に含まれるウイルスが生活用品に付着したり、くしゃみなとで飛び散り、周りの人のお口に入ってしまうことによりうつりますが、人体の外でも10日間ほと生きるため塩素が十分に効いていないプールの水を介してうつるほどなのでプール熱と呼ばれます。

プール熱の診断と治療

プール熱は、溶連菌と見分けることが大事になってきます。(参照溶連菌について
溶連菌も同じく喉が真っ赤っかになりますが、目やにがたくさん出る、目が真っ赤などの結膜症状があればアデノの可能性が高いです。そして、お腹をくだしていてもアデノの可能性が高いです。診断は目やにや咽頭ぬぐい液を用いた迅速検査です。アデノウイルスの迅速検査は感度もよく、陽性であればまず間違いなく診断できます。診断する場合は、咽頭を棒で突っつくよりは、目やにのほうが取りやすく苦痛もないため、検査を希望される場合は、受診前にきれいに拭いておかないほうがいいかもしれません。
プール熱は特効薬もなく学校法で「主要症状消退後2日は登園(校)禁止」です。
アデノウイルスに対する予防接種はありませんし、特効薬もないため咳や鼻水に対する対症療法しかありません。ただし、結膜炎は細菌との混合感染もあることが知られていますので、せめてもの投薬として抗菌目薬が処方されることが多いですが、どれほど効いているのかは正直よくわかりません。
プールにはいつ入れますか?

主要症状が消退して学校に行けるころには、感染力もだいぶおさまっています。通常の消毒対策がしてあるプールは可能だと思われますが、まだまだ他の人に感染してしまう可能性もあるので、十分に注意しましょう。

アデノウイルスは感染力が強い!

前述の通り、多少の環境ではすぐに死なないウイルスですので、学校や保育園、家庭では感染拡大をなるべく防ぐ努力が必要になります。
感染拡大を防ぐには、タオルなどの共用を避け、お風呂も最後に入ります。つばや鼻水だけでなく、目やににも強い感染力があるため、ティッシュなどで拭いたあとはすぐに捨てましょう。集団生活においてはドアノブや机などの共用部位のこまめな消毒もある程度効果的です。幼児期以降はうがいと手洗いが感染予防対策の要となります。
アルコール系の消毒液には抵抗性があり、次亜塩素酸(ハイター、ミルトンなど)が有効です。

アデノウイルスによる他の感染症

アデノウイルスにはいくつか型があり、いろいろな病気を引き起こします。

咽頭炎/胃腸炎

結膜症状がなく、喉の痛みや発赤など、通常の風邪のような症状を来します。また、同時におなかの調子も悪くなったりします。胃腸炎単独の場合もあります。熱は高くなることも多く、胃腸症状も強い場合もしばしばあります。

肺炎

アデノウイルスはよく肺炎を起こすウイルスでもあります。特にアデノウイルス7型は劇症型の肺炎を起こすことで医療界では恐れられています。

流行性角結膜炎

よく咽頭結膜熱と混同されるのが「流行性角結膜炎」です。おなじアデノウイルスの別型が原因になります。こちらは「角結膜炎」で角膜もやられるため、とにかく目にずっと砂利が入ったように激痛があります。角膜に傷がつくとその後の視力にも影響しますので、こちらは結構怖い病気です。角膜の損傷の具合を見なければいけないため、眼科との並診が必要になります。咽頭症状がないのに目の痛みが強く、眩しいなどの症状があればこちらを疑います。

アデノウイルス、悪いやつです。
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