百日咳に注意!

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百日咳がひそかに流行中!

ここ最近、百日咳の患者さんがひそかに増えています。百日咳は乳児で重症化しやすく、ときに命の危険もある重大な病気で、2018年からは感染症法でも全例報告が義務となりました。大人や年長児では普通の風邪症状しかでないことが多く、それが感染拡大を引き起こしています。百日咳の原因や一般的な病態、そして治療法についてまとめます。

百日咳ってどんな病気?

百日咳菌という細菌の一種が引き起こす感染症です。WHOの発表によれば、世界の百日咳患者数は年間約1,600万人で、その約95%は発展途上国の小児です。小児の死亡数は19.5万人にのぼるとされています。

感染する経路は、飛沫感染と言われており、感染者の唾液やよだれなどに原因菌が含まれ、これが体内に入ることでうつります。潜伏期は通常7~10日間程度です。後に紹介する咳の症状は、百日咳菌が出す毒素が主な原因になっているとも言われています。

三種混合ワクチンや四種混合ワクチンをうつと、百日咳の予防効果があります。ただし、予防接種から10年以上経っていたり、免疫力が低下する年齢になっていたりすると、発症してしまう可能性があります。
学校法では、治療が開始され特有の咳が改善するまでは登校(園)禁止です。

百日咳の症状は?

一般的にはカタル期、痙咳期、回復期の3つの経過に分けられます。

①カタル期(約2週間):始めは普通のかぜ症状で、徐々に咳の回数が増え、激しくなります。

②痙咳期(約2~3週間):発熱はあまり見られませんが、次第に特徴的な発作性の咳が出現します。短い咳が連続的に起こり、顔が真っ赤になるほど続きます。そしてそのあと、ヒューという音が出を出しながら息を吸います。このような咳嗽発作がくり返すことをレプリーゼと呼びます。診断は大抵この時期になされます。

この咳の発作は、典型的にはかなり激しく、顔を真っ赤にして、顔や眼瞼がむくんだり、点状出血が見られる場合もあります。咳は夜間に激しくなる傾向があります。また、乳児早期では咳の発作よりもむしろ、呼吸を止めてしまう「無呼吸発作」が問題となり、ひどい場合には呼吸器での全身管理が必要になることもあります。

また、この時期に肺炎や脳症を起こすことがあります。

③回復期 :咳は自然に軽快していくが、完全になくなるまでは数週間かかります。

百日咳の診断は?

乳幼児では、先に述べた特徴的な咳によって診断できる場合が多いです。鼻腔のぬぐい液での迅速検査(LAMP法)あるいは血液検査と、咽頭の培養検査で診断します。血液検査では、白血球数(特にリンパ球)が非常に高くなることがありますが、炎症反応(CRP)はあまり上昇しないことが多いです。また、発症早期と、2-4週間後の血清内の百日咳抗体の上昇をもって確定診断します。

また、咳が激しくなる他の疾患との鑑別も重要で、アデノウイルス、マイコプラズマなどの感染症をしっかり除外する必要があります。周りで咳が続いている人がいるかどうかも重要な情報になります。
成人の百日咳では咳が長引きますが、典型的な発作性の咳とはならないことが多いため、診断はかなり難しいです。軽症で診断が見のがされた場合も、本人は自然治癒しますが、しばらくは菌を排出しつづけるため、ワクチン未接種の新生児や乳児あるいは、免疫力が低下した老人などにうつさないように注意が必要です。

百日咳の治療は?

抗生剤の内服です。ただし、咳がひどくなってしまった後では効きにくいことが多く、特徴的な咳がでて診断してからは実はあまり症状を改善する効果はありません。しかし、除菌をして周囲への感染を防ぐという意味ではその時期からでも治療は重要です。発症初期に診断できれば、早期の抗生剤投与で病気の進展を防げる可能性があります。

長引く咳がある、家族の中で咳をしている人がいて赤ちゃんにうつったかもしれない、という場合には、百日咳を疑う必要もありますので、上記のような特徴的な症状があれば早めにご相談ください。

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