不器用すぎる子どもについて

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発達性強調運動障害って?

「手先が不器用」「字が汚い」「運動が著しく苦手」など、日常のひとつひとつの動作において、体の動かし方などの協調がうまくできずに、相談される子どもがいます。軽度であれば、個性の一部ですが、日常生活に支障を来すほど重度である場合は、発達性強調運動障害と診断されます。頻度としては6~10%もあると言われています。

原因は?

早産や低出生体重児、母親の妊娠期のアルコール摂取などでも起こるという研究結果がでています。

診断は?

いわゆる「不器用」という状態は、脳機能の一つである、「協調」という役割がうまく果たせていないことが原因となります。手足の麻痺や脱力などの機能異常が否定され、一般的な病気が除外されていることが前提です。そして、年齢的・性別的な因子を考慮しながら、予想される水準を大きく下回る場合に、この診断がつきます。はっきりした診断基準やチェックリストはなく、その子の家族歴、周産期歴、発達歴などの情報を加味しながら、併存する障害はないか、二次障害はないかを判断します。

具体的にどんなときに対応が必要?

子どもは年齢によって発達の程度が違い、特に低年齢では個人差も大きいので判断が難しくなります。2歳くらいまでは少なくともはっきりした診断は難しいです。5歳を過ぎると、運動能力の個人差が縮まってくるので、その時期に診断される場合が多くなります。

具体的には、

・よく転ぶ、ぶつかる、けがをする
・階段を降りられない、ケンケンができない、スキップできない
・キャッチホールができない
・滑舌が悪い
・よくむせる
・字が著しく汚い、マス目からはみ出る
・服を着ることができない、ボタンがかけられない、靴がはけない
・ペットボトルの蓋があけられない、ドアがあけられない
・はさみや定規などが使えない
・楽器の演奏ができない、リズム感がない

など、日常に必要となる動作が、同年代と比べて著しく苦手な場合です。いわゆる「運動音痴」も、ひどければこの範疇に入ります。
「不器用」や「運動音痴」も、個性のひとつでもあるため、病名をつけること自体に疑問符が付く場合もありますが、状態が悪ければ、その後の精神的発達、自尊感情や自己肯定感の低下、社会性の発達などに大きく関与するため、介入が必要な場合があります。
たとえば、あまりに不器用すぎると、友達の輪に入れず、いじめの原因になったり、うつ病や不登校になってしまったりすることが考えられます。「練習不足」であるとか、「親の過保護である」とか、間違った認識で本人や周りの保護者などが傷つけられることも多いです。
また、自閉症スペクトラム障害の子どもでは、この発達性強調運動障害を併発しやすいことが知られています。注意欠陥/多動性障害(ADHD)の50%、学習障害の50%に併存することが報告されています。

治療方法はある?

医療的な介入としては、いわゆるリハビリのような療育プログラムを中心とした、作業療法、理学療法を行います。

作業療法とは、遊びの中に必要な運動を取り入れ、基本的な運動の統合ができるようなプログラムを行うことです。作業療法の中には、家庭でできることのヒントもたくさん詰め込まれており、実際日常の中で実践していくことができます。

理学療法とは、温熱や電気、水などの物理的な手段を用いて動作の改善を促します。

相談の窓口は、まずは地域の保健センターや子育て支援センターの保健師です。児童相談所でも、児童心理士などが常駐し、場合によっては発達検査も行ってくれます。必要であれば、療育手帳を交付してもらい、金銭的な補助を受けることもできます。「療育」と聞くと、子供が障がい者になった、とショックを受けたり、周りの目も気にして敬遠してしまいがちですが、こうした支援は子どものためにしっかり受けることが得策だと考えます。

また、注意欠陥/多動性障害が併存している場合は、ADHDの治療薬であるメチルフェニデートが有効な症例も報告されています。

自尊感情が低下している場合や、うつ病・不登校などを発症している場合は、カウンセリングも必要になります。

ハリーポッターで有名な、ダニエルラドクリフくんも、この発達性強調運動障害であることを明かしています。ダニエルくんは、学校で靴紐も結べず、「何をやっても全部だめ」というレッテルを貼られていたが、俳優業で大成しました。うまく対応を考えてあげたり、その子の特性を生かすように仕向けるのも大人の役割です。対応を間違えば、将来の職業などにも影響がでる場合もありますので、もしやと思った方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。

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