小児科救急外来とお薬依存症

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小児科の救急外来

子どもの具合が悪い!救急外来に行くべきかどうか・・・

子供は急に発熱したり具合が悪くなります。そして、夜に悪くなりやすいので、夜間に受診をした方がいいのか、翌朝まで待てるのか、判断に迫られることもあると思います。
しかし、シーズン中の小児科の救急外来はあらゆる感染症でごった返し、下手すれば数時間待ちの状態のこともしばしば。一体どうしたらいいのでしょうか。

一般外来とは違うことを再度認識してください

救急外来はあくまで、「緊急的に処置や治療が必要か判断する場所」になります。そして、往々にして、処置や治療が必要と判断される場合は入院となります。通常子どもが寝てしまう夜間に内服が必要となる場合はほとんどありません。

例えば、「鼻水や咳が出てきたので、明日には治ってほしいので早めに来ました」という方が時々おられますが、半日お薬を早めに飲んだからといって、早く治るものではなく、もっと言えば、夜間の睡眠のほうが大事です。また、「夜間咳がひどいので咳止めをください」という方もおられますが、咳止めを飲んでも咳を止めることは不可能で、これも夜の1回分を早めにもらったからといって、何もいいことはありません。最近は減りましたが、「抗生剤が欲しい」という主訴でこられる患者さんもいました。仮に抗菌薬が必要な状態であれば、入院が必要となる場合がほとんどですし、夜間に1回早めに飲めたからといって、早く治るわけでもありません

どんな症状があったら行ったほうがいいの?

ただ、喘息、クループ、急激なアレルギー反応、けいれん、意識障害などはその限りではありません。これらは吸入や注射などの処置が必要になり、その場合は入院加療となる場合もあります。

・呼吸が苦しそう
・ぐったりして動かない、起きない
・いつもと違う咳、咳込みが止まらない
・けいれん
・生後3か月以内の発熱

このような症状がある場合は、迷わずに救急外来に向かいましょう。
また、「いつもと違う」など親の直感が重要な所見である場合もあります。初めての育児の場合は、なにかと分からないこともあると思いますので、心配であれば受診してもらうこと自体はなんの問題もありません。(普通の小児科医であれば、そんなことでは怒りません)

日本人はお薬依存症が多い

欧米の先進諸国と比較して、日本人はお薬が大好きです。統計学的にも明らかに差がでています。そして、お薬もらったら安心、お薬飲ませていたら安心、といった心理的な依存があります。

逆に言うと、お薬を飲ませているのによくならない、という不安も抱えることになります。大抵の子どもの受診理由は感冒であり、感冒に対しては内服薬は大した効果を示さないからです。

医師にも責任が

こうした背景には、医師にも責任があります。

夜中に自分の診察を受けるために延々と並んでもらったのに、ほぼ3分診療。緊急性はないことは判断したし、救急外来としての役割はしっかり果たしているけど、せっかく来てもらったのに悪いし、害のなさそうなお薬だけ出しておこう・・・。こんな感じでお薬を処方してしまっている医師が多いのも事実です。

ただ、外来をしていて思うのですが、救急外来に来る人たちは、お薬をもらわなかったからといって不満を言う人は実はごく少数です。むしろ、「なにか悪い病気ではないか」「しんどそうな子どもになにかしてやれることはないか」「朝まで待って重症になったらどうしよう」という心配を抱えて受診しているだけです。なので、お薬はなくても、「いまは緊急性がなく朝までこのまま様子を見ていいよ、ということを、根拠も含めてしっかり説明し、再受診が必要な場合はどんな場合かを丁寧に説明すると、驚くほどあっさりと、お薬なしでも納得していただけづ場合が多いです。

ただ、ごった返した外来を目の前に、次々と積みあがっていくカルテ、ごはんの時間も睡眠時間もない中で、一人の説明にそんなに時間をかける余裕がないのも事実です。いわゆる「男脳」寄りの医師は、つい解決策をなにかしら示さないと無能な気がしてしまい、楽な方に流れてしまいお薬をだしがちなのですが、こうした姿勢をみんなが正していかないことには、このお薬依存症は治っていかないのだろうと思います。

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