子宮頸がんワクチンの現在の状況

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子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の現状

子宮頸がんワクチンって打った方がいいの?他のみんなはどうしてる?日本や世界の状況は?という疑問に向き合ってみます。

子宮頸がんについて

日本における子宮頸がんの罹患数は、1年間に約10000例以上であり、その中でも通常はがんになりにくい20~30代の割合が増えています。また2015年の人口動態統計によれば、死亡数は約2,800人であり、現在も闘病生活をしている方はもっとおられます。統計によれば現在、日本人女性の7人に1人が子宮頸がんになるということです。

子宮頸がんは、早期発見・早期治療が重要な病気ですが、初期には症状はほとんどなく、健診で見つけるしかありません。20~30代の子宮頸がん検診の受診率はまだ低く、診断が遅れるケースもたくさんあります。診断されたときに子宮側に広がっていると、子宮ごと摘出が必要になりますし、もっと遅れれば、命に関わります。若くして死亡する、いわゆる「マザーキラー」といわれるゆえんです。

子宮頸がんの原因

子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与する場合が多いです。HPVウイルスはどこにでも存在するウイルスで、主に性交渉で感染しますが、ほとんどの人間が生涯に一度感染すると言われます。感染しても、多くは自然治癒しますが、中には持続感染を起こす場合があり、子宮頸がんが発生のリスクが高まります。

子宮がんから身を守るためには、20歳代から検診を受け、早期発見・早期治療をすることが大切です。その唯一の予防法は、HPVに感染していない・性交渉をしていない世代へのHPVワクチン接種です。

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の現状

HPVワクチン接種は、2006年オーストラリアで導入され、現在も多くの先進国、全世界で100か国以上で接種されています。

現在診療をしていて、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の希望をされる人はほとんどいません。医療従事者の家族だけが細々と接種しにくるくらいです。積極的接種の推奨が取り下げられている現在、そのワクチンの現状はどうなっているのでしょうか。

HPVワクチン導入、積極的接種推奨の取り下げ、そして現在までの経緯

2010年に厚生労働省の「ワクチン接種緊急促進事業」でHPVワクチン導入が検討され、2013年4月に定期接種となりました。ところが定期接種となる直前の3月に、HPVワクチンが無料化されていた地区で、中学生に手足のしびれなどの症状が出た、と新聞に記事が載ったことから、全国で同様の症例の報告が相次ぎ、定期接種を取りやめる要求を出すなど、社会問題化していきました。
同年5月に厚生省は「現時点では、診断の妥当性や転帰(予後)等について明らかではない点も多く、医学的データが不足しており、定期接種を一時中止すべきと判断するには医学的根拠が不十分」(つまり、ようわからんけどまぁ大丈夫ちゃうか、の意味)としたが、その後情報収集を行ったところ、複合性局所疼痛症候群(CRPS)とされる独特の副反応を訴える報告が30例以上報告され、定期接種のわずか2カ月後の6月に「積極的勧奨の中止」が決定されました。

その後、情報収集や審議が繰り返され、副反応とされる症状は、接種時の局所疼痛による「機能性身体症状」とするのが適切であるとされました。その後も全国疫学調査がなされ、HPVワクチン接種歴のない者にも、HPVワクチン接種後と同様の「多様な症状」を呈する者が一定数存在することが報告されました(祖父江友孝の研究班による)。

そして「機能性身体症状」を実際に診療している専門家へヒアリングも行い、心理的アプローチが有効であるとの報告もでました。

子宮頸がんワクチンの副反応

そもそも、副反応って?

予防接種後に生体に生じた、好ましくない反応を「有害事象」といい、その事象とワクチンの関連性は問われない。つまり、おおげさに言えば、ワクチン接種後に犬のうんちを踏んだ、としても、有害事象に当てはまる可能性もある。

一方、「副反応」とは,ワクチンによる本来の目的以外の作用とされている。一般には,有害事象は副反応も含み、さらにワクチンとは無関係な種々雑多な医学的に好ましくない事象などが紛れ込んでいる.この紛れ込みを排除することは非常に困難です。

HPVワクチンの副反応についての論文

「HPVワクチンの主な副反応として、発現頻度10%以上のものは、「注射部位の痛み」「腫脹」「かゆみ」発現頻度10%未満は、「発熱」「蕁麻疹」「全身の脱力」などの全身症状が多く、「失神」は頻度不明であった。

重篤症例として報告されたものを発生時期別にみると、ワクチン接種当日に発生した症例は、「失神」「頭痛」「痙攣」などの神経障害や、「高熱」「疼痛」「悪寒」などの一般・全身障害が多く、これらの殆どは48時間以内に回復していた。ワクチン接種後2~3ヶ月以上経て発生した症例は、「筋力低下」「背部痛」「意識消失」「異常行動」「無力症」など骨格系・神経系・精神系障害と多岐に渡っており、これらは復にも長期間要しており未回復も多かった

また、重篤な副反応を報告頻度別にみると、頻度が最も高いのはアナフィラキシーで、約96万回接種に1回、次にギラン・バレー症候群と急性散在性脳脊髄炎(ADEM)で、約430万回接種に1回複合性局所疼痛症候群(CRPS)は約860万接種に1回となっている。

そして、単純に比較すると、ヒブや肺炎球菌などの他のワクチンと比較し、HPVワクチンの重篤な副作用の発現頻度は約2倍程度と高い。」

(引用;わが国におけるHPVワクチンワクチン副反応続出の要因に関する研究.Core Ethics 2014.)

厚生省の副反応追跡調査の結果

また、2015年9月に厚生省が行った副反応追跡調査の結果を見ると、

子宮頸がん予防ワクチンを販売開始から平成26年11月まで接種した約338万人(約890万回接種)のうち、副反応疑い報告があったのは2,584人被接種者約338万人の0.08%【のべ接種回数約890万人の0.03 %】)。

発症日・転帰等が把握できた1,739人のうち、回復した方又は軽快し通院不要である方は1,550人(89.1%)、未回復の方は186人(10.7%、被接種者の0.005%、【のべ接種回数の約0.002 %】)。

発症日・転帰等が把握できた1,739人のうち、発症から7日以内に回復した方は1,297人(74.6%)

発症から7日以上症状が継続した方のうち、接種日から発症日の期間別の人数割合は、当日・翌日発症が47.7%、1か月までの発症が80.1%

未回復の186人の症状は、多い順に、頭痛66人、倦怠感58人、関節痛49人、接種部位以外の疼痛42人、筋肉痛35人、筋力低下34人。

回復の186人の生活状況は、入院した期間あり87人、日常生活に介助を要した期間あり63人、通学・通勤に支障を生じた期間あり135人。

死亡例3例の内訳は、骨肉腫、自殺、不整脈であり、いずれもワクチンとの関連性はないと考えられる

ということでした。

長くなったので、また別記事で続きます。

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