5歳女児。ある冬の日から突然、夜寝ているときに、主に頭部に大量の寝汗あり、枕がぐっしょり濡れるほどであった。その後も寝汗が持続。やや食欲が低下しているものの、日中は元気に過ごしている。
これ、実はうちの子の事例です(汗)
寝汗について
寝汗は「盗汗」ともいい、言葉通り、寝ているときに汗をかくことです。
0-1歳児のママからはよく「頭だけびっしょりになるのですが大丈夫でしょうか。。」と聞かれることもありました。一般的には赤ちゃんはまだ汗腺が発達しておらず、頭に集中しているため、体温調節が未熟なのもあって、生理的に頭に汗をかきやすい、というのは知っておりました。
でも、生理的な多汗が、こんなに急に、ある程度大きくなってから発症するのは聞いたことがありません。
単なる寝汗でも、病気のことがある
急激に発症した寝汗。生理的な盗汗でないとすると、心配になるのは、「白血病」「甲状腺機能異常」などです。
1か月ほど続いたので、日に日に心配になってきました。暖房はもともとしていないし、寝室の気温変化もない。布団を薄手のものに変えてみてもだめ、、でも夜中に発熱しているわけではなさそうだし、食欲が低下しているといっても、おかわりをしない程度。頻脈や体重低下もないし、眼球結膜の貧血もなさそう。
ストレスが寝汗の原因になりうる
さて、次に鑑別にあがるのは、「ストレス」「自律神経の失調」です。
ストレスの原因として思い当たるのは2つだけでした。
②その夜に数時間だけ発熱あり。周囲でインフルエンザ大流行中。(ただし、翌朝には解熱していたので検査未施行)
でも、スキー合宿はとっても楽しかった、といって帰ってきたし、「インフルエンザ後、寝汗」とgoogle検索しても出てこない(笑)
かれこれ1か月以上続いている。洗濯も大変だし、あせももでてきて困ったので、採血に踏み切る前に、ストレスの原因がないか本人に聞いてみました。
すると。。。
キョンシーが来ないか、毎晩不安で仕方がなかった。
とのことでした。
そういえば!
以前からキョンシーに興味を持っていた我が子。スキー合宿で頑張ったご褒美に、キョンシーのビデオが見たいと言いだしたので、帰ってきてからYoutubeで5分ほど幽玄導師の動画を見せたところ、怯えて「すぐ消して!!」と言われたのでした。
それから数日間は「キョンシーはどこにいるの?」「どうやったら逃げられる?」などとしつこいくらいに聞いていたことを思い出しました。最終的にはめんどくさくなって、「キョンシーはお話の中にしかいないから大丈夫だよ!」と伝えて、それから何も言わなくなったのですが、本人の中では、そんなにストレスになっていたのかと思うと、非常に申し訳なく(少し情けなく)なったのでした。
というわけで、診断。
①スキー合宿
②感染(おそらくインフルエンザ)
③キョンシーが怖かった
というまさかのオチ。
寝汗は、そんな話をしてから2週間ほどで完全によくなりました。ちゃんちゃん。
繊細な長女には、「鬼が来るよ!」「お化けくるよ!」という脅しもあまりしてはいけないのだなと悟った一件でした。