小児科医をしていて、どうしても避けられないのがワクチンの話題です。
ワクチンは、話したいことがありすぎて、とても書ききれないので、不定期シリーズで、徒然と書いていこうと思います。
そもそもワクチンとは
ワクチンとは、子どもに痛い思いをさせ、お母さんたちに医療機関にご足労いただく手間を取らせ、場合によってはお金もかかり、さらには健康な子どもに副作用が起こる可能性が否定できない、、、というものです。
私もできることなら、ワクチンなんて打ちたくないです 。
でも、打たなくて、病気にかかって、我が子を一生苦しませるなんてことはもっとしたくないです。
ワクチンの効果はとても分かりにくい
たとえば、世界中のすべての人が必ずかかる病気があって、それがワクチンで100%防げるとしたら、みんな受けますよね。
45人がワクチンの効果を享受できる。
5人がワクチンを打っていても病気になる。
罹患率や予防効果の確率によって効果がずいぶん変わる!
2人がワクチンの効果を享受できる。
8人がワクチンを打っていても病気になる。
9人がワクチンの効果を享受できる。
1人がワクチンを打っていても病気になる。
(実際はもうすこし複雑ですが、簡素化しております^^;;)
このように、罹患率★や予防効果▲の値が変わると、ワクチンの効果を感じられる人の数もずいぶん変わります。特に、★が小さいと、効果がみえにくくなります。
2009年流行型インフルエンザの場合は、、
通常、罹患率★は世界中の人口で考えると、どの病気でもかなり低いです。2009年にパンデミックを起こした新型インフルエンザも、日本でおおまかに1800万人の罹患と言われているので、1億2千万人で割ると、★はたった15%です。(それでも他の病気に比べるとべらぼうに高いです。)
予防接種の効果▲は、麻疹・風疹や水痘などは、2回摂取すれば95%以上の効果があると言われますが、インフルエンザはせいぜい20-30%程度です。
仮に、★=15%、▲30%で計算すると、、、
4.5人がワクチンの効果を享受できる。
5.5人がワクチンを打っていても病気になる。
ワクチン打ってよかった人と、ワクチン打っても結局かかってしまった人がほぼ同数!
なので、なかなか効果を実感できず、副作用だけがクローズアップされるのです。