食物アレルギー、不要な除去を続けていませんか?

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食物アレルギー、不要な除去続けていませんか?

以前は、症状がはっきりしなくても検査などで食物アレルギーがありそうなら、離乳食開始を遅らせたり、厳格なアレルゲン除去を指示したりしていたそうですが、最近は食べられるものから少しずつでも食べていって、体がアレルゲンを許容していくようにガイドラインで提唱されています。10数年前とは180度方針が転換してしまいました。

ところが、以前に症状が出たりして完全除去をしていた子どもさんは、いざ解除していこうとしても、好みが決まってしまってもう食べられなかったり、完全にアレルギーが完成されていて、もう免疫寛容が起こらない段階になってしまったりしていることがあります

そして、医師も、知識をアップデートできていなければ、根拠のない除去指示を継続してしまうこともあるのです。

実例をみてみましょう。

というわけで、根拠のない除去指示が継続されてしまった一例をご紹介します。

症例 6歳女児。
1歳前後まで特に問題なく、卵加工品、パンやうどん、ヨーグルトなど順調に離乳食が進んでいたが、1歳半でスクランブルエッグを食べて口の周りにじんましんが出た。血液検査で卵アレルギーの値が高値と判明。他に小麦、牛乳が陽性であり、鶏卵と併せて全て完全除去の指示が出た。以降、これらの食物の完全除去を続けていたが、小学校へ入学を機に解除のタイミングの相談に当院受診。

さて。これは完全に医師の指示が間違いです。

まず、うどんやヨーグルトがもともと問題なく食べられていたのなら、血液検査で陽性であっても、除去の必要は全くありません

さらに、スクランブルエッグで軽い症状が出たとしても、鶏卵加工品までは食べられていたので、工夫次第で卵を食べていけたはずです。

少しずつ食べていくことで免疫寛容が起こる

ご存知の方が多いと思いますが、卵は加熱することによって、アレルギー症状が出にくくなるため、しっかり加熱した炒り卵にするとか、固ゆで卵焼きにするとか、しばらくは加工品だけでも摂取するなどの工夫をして、少量でも摂取を継続することによって、体が徐々に卵を受け入れられるようになって(免疫寛容)いきます。

長期間摂取されなかったアレルゲン食物は、免疫寛容が起こらず、そのままアレルギーが完成されると考えられています。

この子の場合は、免疫寛容の機会が奪われ、アレルギーとして完成してしまった可能性がありました。また、本人も、「卵は嫌なもの」と認識しており、黄色いものは警戒して食べないのだそう。小麦や牛乳も除去しているため、食べるものがなく、給食対応ができないので毎日お弁当が大変、と、お母さんは嘆いておられました。

その後の経過

間違った除去指示のため、いろいろなものを食べられる機会を奪われた子どもちゃんでしたが、とりあえず、小麦と牛乳は以前問題なく食べられていたのだから、そもそもアレルゲンではなかった可能性が高いと判断したので、この2つに関しては、通常通りの摂取を目指す方針としました。

とはいえ、「もう5年も食べていなかったものを、自宅でいきなり試すのは怖い。。」というお母さんの気持ちもよく分かります。

そこで、入院での「食物負荷試験」を行いました(食物負荷試験とは、アレルゲンが疑われる食物を少量食べてみて、症状が出るかどうか判定すること)。

すると、小麦・牛乳ともに、特に問題なく食べられることが判明

さて、あとは問題の卵です。

卵を食べること自体に抵抗がでてしまっている

もう卵を見るのも嫌、という子どもちゃん。しかも6歳くらいになってくると、症状を訴えても、それが本当の症状なのか、気持ちからくるものなのか、判断がなかなかできません。かといって、騙して食べさせるのも困難です。

ここでは、お母さんと綿密な相談をします。ホットケーキにしてみたり、白身を刻んで海苔巻きおにぎりにしたり・・・

結果は・・・

最終的に食べられるようになりました!!

まだ、たくさん食べられるわけではないですが、1年ほどかけて、ショートケーキが食べられるようになりました。お誕生日にみんなと一緒に食べたかったケーキが食べられて、最高の笑顔を見せてくれた子どもちゃん。お母さんと一緒にうれし泣きをしたと報告を受けました

根拠のない除去を続けている子どもさん、一度アレルギー専門外来に相談しているといいかもしれませんよ。

赤ちゃんの食物アレルギー検査の適応とタイミング
アレルギー検査で陽性だった場合どうするか。
具体例で学ぶ!食物アレルギーっ子の一般的な経過
食物アレルギー除去解除の方法(鶏卵編)
食物アレルギー除去解除の方法(牛乳編)
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