子供の便秘症~家庭でできる対策について~
子どもの便秘症が増えています。
排便のリズムは人それぞれで、2-3日に1回の排便でも、本人が苦しがっていなくて、通常通りの食欲があり、元気な状態であれば全く問題はありません。
しかし、食欲がでない、トイレでいきんでも出てこない、肛門が裂けて出血する、などの症状があれば、便秘の対策が必要です。
便秘の分類
便秘症とは、もともと腸の病気があっておこるもの(二次性便秘症)と、そうでない体質的なものとに分けられます。
ほとんどが体質的なもので、慢性機能性便秘症といいます。
慢性機能性便秘症の診断基準
2.おむつが取れたあとも、週に1回以上便失禁がある
3.便が過度に溜まっていたことがある
4.排便時に痛みがあったり、便が硬い
5.直腸に便が溜まっている
6.トイレが詰まるくらいの大きな便がでたことがある
これらのうち、2項目以上が1か月以上に渡って存在すること
二次性便秘症が疑われる場合
ただし、以下のような項目に当てはまる場合は、隠れた病気があるかもしれないので、早めに小児科か、小児外科に相談するべきです。
2.体重減少や、成長障害がある場合。
3.嘔吐、血便、下痢便
4.おなかが張っている
5.おなかの中に硬いものが触れる
6.肛門の位置や形がおかしい
7.下肢の麻痺など、神経症状がある場合。
8.お尻の上にくぼみやでっぱりがある場合。
上記の所見がなく、排便で困っている場合は、お薬に頼る前にまず家庭での生活環境を見直してみましょう。
家庭でできることとしては、
・睡眠をたっぷりとる
・1日3食の規則正しい食事
・偏食をなるべく減らす
・適度な運動
これは、すべての子どもの健康につながることだと思いますが、その他に、
便に水分をたっぷり含ませるようにします。便秘のある子は水分を十分に摂っていない子が多いです。
・食物繊維をたくさん摂る
これは、言うまでもないですね。便に水分を吸収させやすくします。みかんなどの柑橘類も便通を改善します。
・おなかの「の」の字マッサージ
これが意外に効きます。左下腹部をぎゅーっと押し込んでやるといいです。
おなかの血流をよくして、腸蠕動を促します。
・ヨーグルトなどの発酵乳製品を積極的に摂る
善玉菌を腸内に送りこみます。ビオフェルミンは、ヨーグルトの「濃い」ものだと思ってください。
あとは、サプリ的なものとして、
ビートオリゴ糖など、市販されているものを、ヨーグルトに混ぜてあげると一石二鳥です。
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・キシリトール
よくコンビニなどで売っているキシリトールのタブレットも、よく見ると、「食べ過ぎは下痢に注意」と書いてある通り、便通をよくする作用があります。
オリゴ糖とキシリトールを配合したタブレットも発売されています。子どもから大人まで中からスッキリ!くるポンタブレット
あと重要なことが排便の姿勢です。トイレットトレーニングを無理に行うと、我慢につながるので、便秘症の治療が優先されます。ただし、直腸と肛門の位置関係より、座って足を踏ん張りやや前傾姿勢になった方が排便しやすくなります。
どの方法が子どもに合っているのか、人それぞれですので、いろいろ試してみるのがいいと思います。まずはしっかり排便するリズムを作ってあげることが大切です。
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