咳止めを処方する場合に医者が考えていること

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咳が出て寝られないので、お薬もらいに来ました

と、外来で言われると、申し訳ないような、苦しいような、そんな気持ちになります。
というのも、なかなかそのご期待に添えないことがわかりきっているからです。

「咳」の原因はおおまかに3つに分けられます。

1. 非感染性の咳(アレルギー性、喘息性など)
2. 風邪などの感染性の咳(風邪、肺炎などもちろんインフルエンザ含む)
3. 1と2の混合性

1は、ハウスダストや花粉などに反応して出るアレルギー性のもの、それから咳喘息のような、気管支が浮腫んで攣縮して分泌物が増える結果でるもの、などです。これには、いわゆる特効薬もあって、ある程度の症状改善が望めます。

ところが、ほとんどの咳は2あるいは3です。

咳はからだを守る大切な生体反応

感染性の咳は、いわゆる病原菌から体を守ろうとする体の反応で、鼻水が垂れ込むのを防いだり、痰を排出したりする役割があります。
鼻粘膜から鼻水がダラダラでているときに、仮に完全に咳を止めてしまったらどうなるでしょうか?
気管や肺のなかに流れ込んだこれらの分泌物を外に出す術がなくなります。
肺炎のとき、肺の炎症部分から大量の痰が産出されます。
もしも、咳がなかったら、どんどん溜まってしまって、息ができなくなってしまいます。

お薬で咳を止めることはできません

そんなわけで、体を守っている大事なこの反応を、お薬で止めてしまうということは、とても怖いことなので、外来で「咳を止めてください!」と言われても、「無理だよ、そしてそんなことしちゃだめだよ! 」と言いたい衝動にかられるのです。
そして、結局はその体の反応は、お薬ごときでは止めることはできません。

じゃあ、なぜ咳止めを処方するの?

しかしながら現在、よく外来で鎮咳薬として処方される、メジコンアストミンアスベリンなどの咳止めですが、はっきり言って、これらのお薬の効果は、この生体の防御反応を覆すような強力な作用はありません 。なので、「効かないんだけど、希望されてるし一応いれとこか・・・ 」くらいの気持ちで処方していることもあるのです。。

とはいえ、子どもが寝てからもずっと咳き込んでいたり、咳で度々起きてしまったり、寝られずにぐずってしまうのを、手をこまねいてみているわけにはいきません。加湿して、鼻水吸引して、一晩中抱っこして、、、それでも続く夜の咳に対して、親のやれることはもっとほかにないものか。にっくき咳を和らげるためになにか有効な武器はないものか。困っているママやパパの気持ち、子供を楽にしてあげるためにわらにもすがる気持ちは、私も実際に経験して痛いほどわかるので、なんとか応えたいのです。

これについては子供の咳を軽くするコツ子供の咳にハチミツが有効!?を参照してください。

喘息性の咳には治療薬があります

「風邪を引いている感じはないのに、朝方だけ咳をする」「台風や梅雨時などに、咳をして寝られない」「花火の煙やグラウンドの砂塵に反応して咳をする」こういった症状のときは喘息である可能性が強いです。

また、風邪症状があっても、普段から喘息症状が出る子どもは、喘息を合併していることも多く、その場合には喘息治療薬がある程度有効です。そして、一般的な咳止めは、痰の排出を阻害するために、逆効果になる場合があり注意です。

また、いわゆる、「テープ」のおくすりは、喘息のおくすりです。逆に言うと、これを貼って改善するような咳は、喘息の可能性があります。(参照; 「咳止めテープ」の効果は?)

咳はつらい症状ですが、必要な反応でもあります。「お薬のんだら咳は止まるはず!」と思っていると、「お薬飲んでも咳が治らない!」と焦る原因にもなります。少しましになったらいいな、くらいの気持ちで飲ませるようにすると、気持ちが楽になるかもしれませんね。

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