はしかの流行に伴い、麻疹風疹ワクチン希望者が続出しています。
5月中旬のこの週末になって、MRIワクチンの出荷制限の情報がどんどん入ってくるようになりました。
麻疹の予防策はワクチンのみ!
麻疹は昔は「流行り病」として、成長の過程でかかるのが一般的で、むしろ通過儀礼のようなものでした。しかし、中には合併症で死亡したり後遺症を残す人も少なくありませんでした。非常に感染力が強いうえに、合併症を起こすリスクも高く、抗麻疹ウイルス薬のような特効薬がない。そのため、ワクチンでの予防が唯一の対策となります。
そこで、1960年代から予防接種されるようになり、しばらくは1回接種で十分と思われていました。ところが、1回接種では十年程度と経過するにつれ免疫効果が薄れ、高齢になって罹ってしまうことが分かり、2回接種になった経緯があります。また、途中で中断されたこともありました。なので、ワクチン接種状況が年齢によっておおきくばらついています。
現在の年齢別の麻疹ワクチン接種状況
1977(昭和52)年4月1日以前に生まれた人
・・・1回も接種していない可能性が高い世代
1977(昭和52)年4月2日~1990(平成2)年4月1日に生まれた人
・・・1回しか接種していない世代
1990(平成2)年4月2日~2000(平成12)年4月1日に生まれた人
・・・MRワクチン2回の接種が推奨された世代
2000(平成12)年4月2日以降に生まれた人
・・・1歳台と就学前の1年とで2回の定期接種が推奨された世代
麻疹はワクチンで防げる病気です。そしてワクチンの効果を得られるまでには約2週間かかると言われます。
今流行している麻疹の状況で、情報を見ると、発症者の中でもワクチン接種済の患者さんもいるようですが、1歳児の患者さんは麻疹患者と接触後に慌てて接種したが発症、30歳代の2回接種の方も、
ワクチンはなるべく推奨時期に規定回数うちましょう!
ワクチンを打たないのは、個人の自由、という意見もありますが、こういうときにパニックにならないように、自分のため、まわりのため、ワクチンは規定回数、推奨された時期にしっかりうちましょう。
本来であれば、血液検査で抗体価を測定し、抗体価が足りないと思われる人にワクチンを打つべきなのですが、抗体価を測るだけでも3000円から5000円ほどかかってしまい、さらに血液検査の結果も一週間ほどたたないと返ってきません。
なので、地域によっては、大人の接種希望者が殺到し、1歳の定期接種のワクチンが不足する事態に発展しています。
子供のワクチン接種の責任は親にあります
当たり前ですが、ワクチン接種は子どもがどうこう言える立場にはなく、親の方針がすべてです。
でも、親が打たないと決めても、将来困るのはその子どもです。
先日も15歳の男の子が来ました。今までの予防接種歴を見ると、集団接種であったBCG・ポリオ以外は皆無。
でも、来週から沖縄に旅行だということで、慌てて接種することにしたが、どこも予約がいっぱいで、結局ギリギリになって、効果がでるかどうかもわからないけど念のため接種。。
今ワクチンを打つんだったら、なんで小さいときに打ってくれなかったのよー!と、思わずにはいられませんでした。
せっかくなのでこの機会に他のワクチンも、とお話ししましたが、丁重にお断りされました。。